『約半数で定員割れ』の大阪府立高校 「完全無償化」で高まる私立高人気への対抗策は「入試の前倒し」 受験生や保護者からは歓迎の声 その狙いとは

AI要約

大阪府で私立高校と府立高校の入試が取り合い状況になっている。

私立高校の完全無償化により私学人気が高まる一方、府立高校は定員割れが目立つ状況。

府立高校の入試改革に向けて専門家から提言がなされ、特色入試や入試日程変更などが検討されている。

『約半数で定員割れ』の大阪府立高校 「完全無償化」で高まる私立高人気への対抗策は「入試の前倒し」 受験生や保護者からは歓迎の声 その狙いとは

少子化の中、いま大阪府では、府立高校と私立高校で子どもたちの取り合いのような状況になっている。

大阪府の「私立高校の完全無償化」を受けて私立人気が高まる中、定員割れも目立つ大阪府立高校の入試が今、変わろうとしている。

どんなものになるのだろうか?

今月、大阪市内で開かれた私立学校のイベント。 2日間で去年より3000人多いおよそ2万人が来場し、私学への進学を考える生徒や保護者で大盛況となった。

私立高校を巡っては、大阪府は今年度から授業料について、所得を問わずに保護者の負担を無くす「完全無償化」制度を段階的に開始。私学人気は高まる一方だ。

【大阪私立中学校高等学校連合会・草島葉子会長】「驚くほどみなさん、熱心に来られていてうれしいところです。専願で受験なさる方が増えたというのが、一番大きなところでしょうか」

しかし、私立高校が人気を集める一方で、府立高校はことし春の入試でおよそ半数の高校が定員割れする事態に。

府立高校の志願者をいかに確保するかが課題となるなか、16日、専門家からなる審議会は、その入試改革について府への提言内容をまとめた。

提言では、クラブ活動などの経験を加点する「特色入試」を一部導入することや、第一志望が不合格でも第二志望で再び合否判定を受けられる制度の導入などを求めている。

【大阪府学校教育審議会・浅野良一会長】「こういう新しいやり方を提案して、プラス部分を作っていこうと」

さらに提示されたのは、例年3月上旬に実施される一般入試を数週間程度前倒しする案。

具体的には2月下旬にすることが検討されている。

大阪府教育庁は、進学先が早く決まることで、不登校などの問題を抱えた生徒について中学校と高校の引継ぎの期間を長くすることができると話す。

【大阪府教育庁・仲谷元伸教育振興室長】「(今は)合格者発表をしてから中学校と情報共有をするのが1日とか2日とかそれぐらいしかない。1~2週間あると必要な生徒にとっては学校訪問して話聞いたり。それぞれの生徒に向き合ってアセスメントをすることで充実した学校生活を送っていただけると考えています」

しかし、中学生の進路指導にあたる教師からは、前倒しによる効果に疑問の声が聞かれた。

【大阪府進路指導連絡協議会 吉村祥弘事務局長】「不登校でいろんな支援にかかわるような子については、進学先が決まってから連携取るということではなくて、受験前までにもいろんな機会で連携を取るようにしているので、進学先が決まったからその時点でスタートということではないかとは思うんですけど」