千趣会初の住宅販売「ベルメゾンデイズハウス」はどこが革新的?「通販で家を買う」時代になるか

AI要約

千趣会の通販事業「ベルメゾン」から、Lib Workと共同開発した「ベルメゾンデイズハウス」が8月から販売を開始した。

千趣会初の住宅販売の取り組みとなるベルメゾンデイズハウスは、女性向け商品を広く扱うベルメゾンブランドを体現した家で、『女性が家族と共に前向きに成長していく家』をコンセプトにしている。

ベルメゾンデイズハウスは、家事や育児、家族のコミュニケーションのしやすさをかなえる回遊性のある間取りが特徴で、IoTにより家事負担を軽減する機能も採用している。

販売にあたっては、デジタルマーケティング戦略を得意とするLib Workが、住宅業界初の取り組みとして、生成AIを使用したデジタルヒューマン(人間のような動きや表情を生成できる3DCGキャラクター)による接客を導入。

千趣会初の住宅販売「ベルメゾンデイズハウス」はどこが革新的?「通販で家を買う」時代になるか

千趣会の通販事業「ベルメゾン」から、Lib Workと共同開発した「ベルメゾンデイズハウス」が8月から販売を開始した。

千趣会初の住宅販売の取り組みとなるベルメゾンデイズハウスは、女性向け商品を広く扱うベルメゾンブランドを体現した家で、『女性が家族と共に前向きに成長していく家』をコンセプトにしている。

通販事業のベルメゾンが不動産事業に乗り出したことについて、千趣会 代表取締役社長 梶原健司氏はこう話す。

「1976年から開始したベルメゾンは、通信販売の小売事業とオリジナル製品の製造という両面を展開してきました。

『ベルメゾンデイズ』は2015年に発足したインテリアブランドですが、ブランドのリニューアルを進める中で、お客様の意見を取り込み、それを商品に反映させてお返しすることを第一の目的に掲げました。

女性のライフステージに寄り添ってきた会社として、お客様とのキャッチボールで作り上げたベルメゾンデイズというブランドで、時短、家事の協業、育児といった女性の日々の生活に焦点を当てた住宅を販売することになりました。

先進的な販売手法を取り入れているLib Workと協業することで、この住宅を通してお客様と販売でもコミュニケーションができるのではないかと期待しています」

ベルメゾンデイズハウスは、家事や育児、家族のコミュニケーションのしやすさをかなえる回遊性のある間取りが特徴で、IoTにより家事負担を軽減する機能も採用している。

■特徴1・暮らしの変化に対応する長く付き合える住宅

ライフステージの変化によって対応できるフレキシブルな設計。建具の追加で個室化が可能な間取りで、2階の子ども部屋は子どもの成長に合わせて中央で分け2室にすることも可能。

家族の成長や状況に合わせて、勉強部屋、在宅スペース、ファミリーライブラリー等、用途を変えられるフリースペースも設置。下記写真は2階のフリースペースと1階階段下のスタディスペース。

■特徴2・風通しがよく自然を感じられ、コミュニケーションも生まれる空間

1階のLDKはL字型で、LDKのどこにいてもコミュニケーションが取りやすい空間に。吹き抜けで1階と2階でのコミュニケーションも取れる。

LDKには窓の開口部を大きく設けており、東向きの開口部からは庭の自然と家の中がほどよくつながり、光の抜け感を心地よく感じられる設計になっている。

また、風の入る窓と出る窓の高低差により、窓を開けると1階から2階に風が通り抜ける「風の通り道」ができる。

住宅を建てる際は日照条件等、土地によって異なるが、日照条件に左右されない住宅を目指し、同じ床面積でも一部壁を大きく南側から後退させることで、条件の良い庭と日照の確保を可能にしている。

この配置によって、北側接道や住宅密集地域であっても日照条件を確保することができる。

■特徴3・家族みんなであたりまえに家事をする

家事のしやすさを動線を中心に工夫することで、一連の流れで行動でき、子どもも含めて家族みんなで家事をする提案を行う。

ダイニングから近い位置に冷蔵庫を設置して、自分で取りに行くことをあたりまえにして、両面から使える調理カウンターで、家族みんなで配膳や調理の手伝いができる工夫も。

リビングの近く、洗濯乾燥機のある洗面所から最短動線にウォークインクローゼットを設置することで、洗濯が終わった衣服をしまいやすく、子どもの自立的な着替え、片付けを促す。ウォークインクローゼットはハンガーや引き出しなど、役割別の収納のしやすさの工夫を施している。

■特徴4・家事がはかどる仕組みをあたりまえに

IoTシステムを活用して、スマートホーム化を実現。住宅設備をインターネットに接続して遠隔操作ができるホームコントロールや、セキュリティーや見守りカメラといった防犯設備も備える。

■特徴5・オリジナルインテリア

キッチンカウンター、ダイニングセットソファー、テレビボードなど一連のオリジナルインテリアを千趣会で開発。オーダーメイドが可能で、商品は9月20日より順次販売を予定している。

販売にあたっては、デジタルマーケティング戦略を得意とするLib Workが、住宅業界初の取り組みとして、生成AIを使用したデジタルヒューマン(人間のような動きや表情を生成できる3DCGキャラクター)による接客を導入。

これまでは営業担当者が対応していた住宅商品の説明や間取りの提案、住宅ローンの案内など、戸建て住宅の検討時に欠かせない情報提供や相談を、デジタルヒューマンがサポートすることで住宅業界の人材不足解決も目指す。

「住宅業界は住宅展示場を中心に集客をするビジネスモデルでしたが、最近はモデルハウスに集客できない状況が続き、今後はネット集客が主流になっていくと考えています。

こうした背景から、千趣会が今まで培ってきた通販のノウハウと、我々のデジタルマーケティング戦略を組み合わせて、業界初の家を通販で売るという野心的な取り組みを始めることになりました。協業により千趣会会員へのアプローチ、DtoC商品の開発・販売と販売チャネルを拡充していきます

住宅業界はエンドユーザーの声がなかなか届けられないという現状があります。千趣会会員とのファンミーティングの開催、ユーザーアンケートを実施し、暮らしやすい住宅に必要なものや工夫といったユーザーのお声をダイレクトに家づくりに取り込んでいくDtoCマーケティングを行います。

これは住宅業界においては非常に珍しいマーケティング方法ではないかと思います」(株式会社LibWork 代表取締役社長 瀬口 力氏)

ベルメゾンのカタログ、サイトで特設ページを設置、そこからベルメゾンデイズハウスの紹介、千葉県にあるモデルハウスの来場予約、資料請求などができる。

初年度は千葉を中心に関東エリアで展開、販売棟数は30棟を計画し、売上規模7~8億円を目指す。将来的には、通販の強みを活かして全国で展開していく予定とのこと。

後編では、筆者がた「家事をラクにする家」を実施に見てチェックしたポイントを紹介していく。

取材・文/阿部純子