単発の「介護助手」をアプリでマッチング 大阪で全国初、継続雇用につながった例も

AI要約

大阪介護老人保健施設協会が専門資格不要の介護助手としてのアルバイトを募集する取り組みを開始

求人アプリを通じて介護助手を募集し、既に施設とのマッチングが成立している

施設側も採用手続きが簡略化され、介護助手自身も安定的な雇用を得るケースもある

単発の「介護助手」をアプリでマッチング 大阪で全国初、継続雇用につながった例も

高齢化で介護サービスの需要が増加し、介護人材不足が深刻化する中、介護に携わる仕事へのハードルを低くしようと、「大阪介護老人保健施設協会」(大阪市天王寺区)が今年度から、単発・短期アルバイトの求人アプリを通じて地域の人を募集し、専門資格を必要としない「介護助手」として働いてもらうための全国初のマッチング支援事業をスタートした。継続的な雇用に結びついたケースもあり、同協会は「モデル事業として全国に広げたい」としている。

■送迎ドライバーや調理補助として

介護助手は、資格を持つ介護福祉士らがより専門的な業務に特化できるよう、主に身体介護以外の業務を担う。令和6年度の介護報酬改定で創設された「生産性向上推進体制加算」で算定要件の一例として挙げられるなど、介護現場での活用が期待されている。

今回の取り組みには、介護事業に必要な記録ソフトなどを手掛ける「ワイズマン」(盛岡市)と、求人アプリを展開する「シェアフル」(東京都港区)が協力。協会は、各施設が介護助手を募集しやすいよう業務の切り分けを支援し、介護資格が不要な送迎ドライバーや調理補助、清掃などの求人を単発・短期アルバイトの求人アプリ「シェアフル」に掲載できる枠組みを整えた。

ワイズマンによると、これまでに大阪府内の10施設が求人を出し、4施設で求職者とのマッチングが成立。20~60代の男女計7人が送迎ドライバーや調理補助として働き、一部は継続的な雇用につながったという。

同社の担当者は「採用にかかる時間を短縮でき、施設の負担が軽減できる」と説明。協会は「これまで介護と接点のなかった層にもアピールでき、人材確保につながる」としている。

■働きぶりを確認して打診

大阪市淀川区の「淀川介護老人保健施設ハートフル」では、今回のマッチング支援を使い、これまでに送迎ドライバーとして20~60代の男性4人を採用。うち2人が長期雇用となった。

フリーで写真撮影などを手掛ける一由(いちよし)晃三さん(68)は、本業と両立できるアルバイトを探すために求人アプリを検索し、ハートフルの募集を知った。当初は単発で数回働ければと考えていたが、施設から「長期で働いてほしい」と打診され、快諾。現在は週3~4回働いている。