焼肉は絶対片面ずつ焼き色をつけてはいけない…和田秀樹断言「ヨボヨボに老けない牛肉の食べ方」

AI要約

長寿の人がどのような食事を摂取しているかについて、牛肉を積極的に摂取することや、入れ歯や自分の歯のメンテナンスの重要性、チョコレートの血圧改善効果について述べられている。

様々な研究で歯と寿命の関連性が指摘されており、歯の状態が長寿に影響を与えることが示されている。

高カカオチョコレートの摂取が血圧改善に効果があり、カカオポリフェノールや他の成分が健康面でプラスの影響をもたらす可能性がある。

長寿の人はどんな食べ物を、どのように食べているのか。高齢者医療に携わってきた精神科医の和田秀樹さんは「高齢者でも元気な人は肉を積極的に摂取している。ただ、その焼き方には注意が必要だ。片面ずつ焼き色をつけてはいけない」という――。

 ※和田秀樹『老けない習慣ベスト100』(総合法令出版)の一部を再編集したものです。

■100歳超えの半数以上が前歯で肉を噛み切れる。葉は長寿に欠かせない

 食品加工会社のキューサイによると、元気な100歳以上の人がどういう噛み方ができるのかを調べたところ、入れ歯をしている人も含めた68%が「前歯で肉を噛み切ることができる」、98%が「奥歯で固い食べ物を噛み砕ける」と答えたそうです。

 1989年から厚生労働省と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上、自分の歯を持とう」という8020(ハチマルニイマル)運動があります。

 さまざまな研究で歯と寿命には強い関連性があることがわかっていますが、例えば、歯が1本もない状態は、死亡リスクが男性はワースト1位、女性は6番目に高いと、東京医科歯科大学と東北大学などの共同研究で発表されています。

 2万人以上の高齢者を4年間にわたって追跡調査した研究では、歯が20本以上残っている人に比べて、10~1本しか残っていない人の死亡率は1.3倍、9本以上の人では1.7倍に上がったと報告されています。

 また、歯がほとんどなくなっている人と20本以上残っている人では、認知症のリスクが最大1.9倍になるという研究もあります。さらに、これらのリスクは、入れ歯などで低くできることもわかっています。

 まずは、自分の歯を失わないようにすることと、抜けた場合は、入れ歯などでしっかり噛めるように対処することが大切なのです。健康で長生きするためには、歯のメンテナンスを忘れてはいけません。

■歳をとっても血圧が高くなりすぎない人は、毎日おやつにチョコレート

 大手食品会社の明治と愛知学院大学、愛知県蒲郡市が産学官共同で行った研究報告が高齢者に興味深い内容です。

 45~69歳の市民347人に、高カカオチョコレートを1カ月間毎日食べてもらい、生活習慣病の予防効果を調べたものです。全員の平均値を見ると、実験前よりも最高血圧が2.6ミリHg、最低血圧が1.9ミリHgも低くなったとのこと。

 しかも、もともと高血圧の人のほうが、正常血圧の人よりも血圧の低下量が大きかったそうです。高カカオチョコレートが高血圧を改善するのに有効と結論づけられました。ただし、血圧が高いほうが頭がハッキリする人もたくさんいます。

 この血圧を抑える効果は、カカオポリフェノールの働きによるものと思われます。傷んだ血管壁に抗酸化作用の高いカカオポリフェノールが作用し、血管が広がって血流が良くなり、血圧が低下したと考えられています。

 チョコレートにはカカオポリフェノールの他にも、フェニルエチルアミンという物質が含まれています。これは「恋愛ホルモン」ともいわれ、恋をしたときに脳内に分泌される神経伝達物質です。

 チョコレートを食べると、その働きによって高揚感を覚え、気持ちがポジティブな方向に誘導されたりします。また他にも集中力や記憶力を高めるテオブロミンや、緊張やストレスをやわらげるGABAなどが含まれており、これらの効果によって精神状態が良好になっていきます。

 高カカオチョコレートは、食物繊維が豊富なので、血糖値を急上昇させることもなく、有効成分のメリットも得られます。