伝統とホスピタリティ精神が詰まったヨットレース「リシャール・ミル カップ」【体験記】

AI要約

高級時計ブランド、リシャール・ミルが主催するクラシックヨットのレース「リシャール・ミル カップ」が2024年に開催され、英仏海峡を舞台に優雅なレースが行われた。

競技用ヨットを使用した本格的なヨットレースイベントで、イギリスとフランスの歴史的ヨットクラブから10艘が参戦し、異なるコースで競い合った。

筆者は途中から参加し、豪華なスクーナー船でカウズからル・アーヴルまで長距離のオフショアレースを体験。安全対策もしっかりとされていた。

伝統とホスピタリティ精神が詰まったヨットレース「リシャール・ミル カップ」【体験記】

モータースポーツとのコラボレーションも多い高級時計ブランド、リシャール・ミル。実はその世界は海にも広がっている。英仏海峡を舞台として2024年6月に開催されたクラシックヨットのレース「リシャール・ミル カップ」は、優雅さと情熱、そして文化を守るという意義を感じさせるイベントだった。

2023年から始まった「リシャール・ミル カップ」は、100年以上前に設計された競技用ヨットを用いてレースを行うという、本格的なヨットレースイベントだ。

2回目となる今年は英仏海峡を舞台とし、イギリスとフランスにある歴史的なヨットクラブから、実際のクラシックヨットやレプリカヨットが計10艘参戦。

イギリスのファルマスにあるロイヤル・コーンウォール・ヨットクラブからスタートし、フランスのル・アーヴルにあるソシエテ・デ・レガッツ・デュ・アーヴルまで移動しながら、短距離インショアコースと長距離のオフショアレースで、タイムを競い合った。

筆者が帯同したのは、レース日程の後半戦。

ヒースロー空港から陸路でサウザンプトンへ向かい、そこからクルーザーで対岸のワイト島の港町・カウズへ。「リシャール・ミル カップ」に参戦する、3本マストの巨大なスクーナー船「アトランティック号」に乗りこむ。このヨットはキッチンやサロンがあり、6つの客室それぞれにシャワールームとトイレがついているという豪華なしつらえだ。

船上でウェルカムセレモニーが催され、ヨットは出港。船上でのディナーを終えると、夜を徹して英仏海峡を横断する長距離のオフショアレースが始まった。

強い風と海のうねりのなかを、アトランティック号はフランスに向けて進む。時折驚くほど船体が傾くが、客室のベッドには転落防止用の柵があるため、安全対策はなされている。未体験の環境ではあったが、長旅の疲れからすぐ就寝。海面が舷窓を叩く音で目が覚めると水平線がうっすら明るくなっており、遠くに街並みが見える。

ヨットデッキで明けていく空を眺めながら、酔い止め効果があるというジンジャーハーブティーを飲んでいると、ほどなくしてフランスのノルマンディー地方の港町ル・アーヴルへと到着。この日のレースを終えた。