"好きな子をからかう"のも「虐待」?言葉による感情的な虐待「ネギング」とは

AI要約

子どもの頃、公園でからかわれることが好意とされる考え方は虐待を正当化するものであり、許されるべきではないと専門家が指摘している。

ネギングと呼ばれる行為は感情的な虐待であり、相手の自尊心を傷つけるために行われるものである。知識が広まることで常習犯を特定しやすくなるが、見抜くのは難しい。

ネギングはイチャイチャの一部ではなく、卑劣な行為であり、虐待の一形態として認識されるべきである。

子どもの頃、公園で男の子にからかわれる周りの大人はこう言ったー「それは、あなたのことが好きだからよ!」。これは社会が年頃の若者につき続けている嘘である。

この嘘のせいで感情的な虐待は、“普通”どころか片想いの恋愛や交際の一部として許されているけれど、本来は許されるべきことじゃない。

「社会に広く浸透した『からかうのは好きだから』という考え方は、ネガティブな行為をノーマライズし、そうやって人を扱うことが悪いことではないように思わせます」と話すのは、トラウマの専門家で公認ソーシャルワーカーのシルヴィ・サクセナ氏。でも、これは普通じゃない。「からかうというのは、その人の自信と人間性を奪うため、絶対にノーマライズしてはいけない有害な行為です」

恋愛におけるこの残念な行為には、“ネギング”というキャッチーな名前がついている。

簡単に言うと、ネギングとは、からかうことで相手に対する興味を示すこと。そう、公園で遊ぶ小学生たちのように。

一見無害に見えるけれど、ジェンダー&セクシュアリティセラピーセンターのディレクター兼セックスカウンセラーで公認ソーシャルワーカーのジェシー・カーン氏いわくネギングは、人の自尊心に打撃を与える感情操作の一種と言える。

サクセナ氏によると、幸い、呼び名があるものは何だって見つけやすい。つまり、ネギングという言葉の意味を知る人が増えるにつれて、その常習犯を特定し、避けるのは容易になるということだ。

とはいえ、ネギングがどのような行動となって現れるのかを知らないと元も子もない。そこで今回は、ネギングの具体例と対処法をサクセナ氏とカーン氏が教えてくれた。今回はこの内容をイギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。

簡単に言うと、ネギングは“言葉による感情的な虐待”。カーン氏によると、ネギングの常習犯は相手の自信を削ぐようなことを言って、その人の感情を操作する。でも、この行為を見抜くのは難しい。

というのも、ネギングは一見ただ“イチャイチャしている”だけのように見えるから。「“意中”の相手をからかえば、その子は自分によく見られよう、認められようと必死になる。だから、からかうというわけです」。要するにネギングは、ものすごく卑劣な行為。

ネギングは身体的な虐待ではないだけにスルーされがち。被害者がアザを隠す必要はないけれど、ネギングは間違いなく虐待の部類に入る。「私利私欲のために他者の心理を操作するのは、例外なく100%虐待です」とサクセナ氏。

ネギングは、イチャつくのが適切な状況(初デート、交際、バーでの雑談など)で行われることが多い。でも、ネギングはイチャイチャの一部じゃない。

「自分の気持ちを伝えて愛情を表現する方法はいろいろありますが、意地悪な発言で人を傷つけるのは、許される方法でも適切な方法でもありません」とサクセナ氏は説明する。