偏差値の正体 駿台が1刻みなのに河合塾が2.5刻みなのはなぜか 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

AI要約

偏差値に敏感な親との関係について

大学受験や中学受験の偏差値の意味

中学受験における偏差値と成長の関係

偏差値の正体 駿台が1刻みなのに河合塾が2.5刻みなのはなぜか 桜井信一 桜井信一の攻める中学受験

受験生を持つ親が偏差値に敏感なのは当たり前のことなのですが、受験生本人は意外と呑気なものです。まだ小学生ということで偏差値の意味もよくわかっていないかもしれませんし、偏差値が低いからってどうすればいいの?と思っている子は深く考えようもないでしょう。

そこなのです。実は多くの親が子どもたちと同様に偏差値が低いからといってどうすればいいのかわからないはず。偏差値はお天気のようなもの。快晴と大雨以外はぼんやりとしたものなのです。

ここで大学受験を例にしてみます。駿台予備校の偏差値は1刻みなのに対し、河合塾の偏差値は2.5刻みになっています。55の次は57.5で、57.5の次は60。つまり、河合には59という偏差値が存在しないのです。

私はこれが妥当だと思っています。1刻みに偏差値を出したところでそんなのアテになりません。偏りの差の値ですから、概ねどのグループに属しているかわかれば十分だと思うのです。実際、偏差値からかなり上の学校に合格することがよくあります。

これは中学受験も同じ。良い例が秋の学校別サピックスオープンという模試です。この模試の結果が良かったなんて受験生は意外と少ない。この模試では絶望的な位置から合格してくる子がたくさんいる。そのデータが模試の結果と共に返ってきますから「あれ?そういうものなんだ」と気づくでしょう。

この現象、特に難関校によく起きるのではないかと私は考えています。難関校を狙う子はそもそも基礎的なことができています。その上乗せができていない。そのために秋の段階では結果がでていない。しかし、模試の結果をみて焦り始め、ようやくスタートを切る。実は基礎さえできていれば短期間で大きく伸びるのが中学受験なのです。急上昇の年末年始を過ごし、本番に向かう。そして周りをあっと言わせるのです。

そんな子も、中学受験をしようと塾通いを始めてからというもの、ずっと偏差値というよくわからないものに振り回されてきたはず。本人ではなく親が振り回されてきたことでしょう。親はこれしか判断材料がないものですから余計に敏感になる。焦るばかりでストレスになるのです。

これを解消するために、少し子どもの頭の中を覗きたい。たまの日曜日には一緒に勉強してあげてほしいのです。私も経験しましたが、小学生に戻って勉強するというのは意外と楽しいものです。面倒がらずに楽しんで欲しいと思います。