若くしてこの世を去った作曲家、アルフレッド・カタラーニの最後のオペラ【クラシック今日は何の日?】

AI要約

アルフレード・カタラーニの生涯と作品について。若くしてこの世を去ったが、残された作品には魅力が詰まっている。

『ラ・ワリー』という代表作のアリア「さようなら、ふるさとの家よ」について。1981年の映画『ディーヴァ』で有名になったエピソードも紹介。

日本クラシックソムリエ協会代表理事である田中泰さんの活動について。クラシック音楽の魅力を広めるために様々なメディアで活躍中。

若くしてこの世を去った作曲家、アルフレッド・カタラーニの最後のオペラ【クラシック今日は何の日?】

難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。

今日8月7日は、イタリアのオペラ作曲家、アルフレード・カタラーニ(1854~93)の命日です。

4歳年下のプッチーニと同じルッカに生まれ、後期ロマン派を代表するオペラ作曲家としての将来を嘱望されていたカタラーニでしたが、若くしてこの世を去ったために、若書きの作品しか残せなかったことがとても残念な存在です。

代表作にして彼が手がけた最後のオペラ『ラ・ワリー』の初演は1892年ミラノ・スカラ座。今はほとんど上演されなくなってしまったこの作品の第1幕で歌われるアリア「さようなら、ふるさとの家よ」は、単独で歌われることの多い名曲です。

そしてこの曲を一躍有名にしたのが、1981年のフランス映画『ディーヴァ』でした。物語は、音楽を熱烈に愛する郵便配達員の青年ジュールが、神秘的な歌声を持つディーバ(歌の女神)と出会い、彼女のアリアを盗み録りしたことをきっかけに展開される、美しいラブ・ロマンスにしてサスペンス・スリラー。

摩訶不思議な物語と美しいオペラ・アリアのコラボレーションが心に残る作品です。

一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。