社会における出来事や事件を描いてきた注目の現代作曲家、ジョン・アダムズ【クラシック今日は何の日？】
広島平和記念日の歴史的な出来事と重要性について述べられている。
アメリカ映画『オッペンハイマー』や現代作曲家ジョン・アダムズの作品を通じて、原爆投下の悲劇に関連する作品が紹介されている。
クラシック音楽の世界においても、世界の出来事や歴史を取り上げ、問題提起する作品があることが示されている。
難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。
今日8月6日は、広島平和記念日です。
1945年8月6日8時15分に広島市内に原子爆弾が投下された歴史的な悲劇を由来とするこの記念日は、犠牲者の霊を慰めるとともに、世界平和を啓発する日とされています。
この春公開されたアメリカ映画『オッペンハイマー』のテーマも同様。“原爆の父”と呼ばれるアメリカの物理学者、ロバート・オッペンハイマーの栄光と挫折、苦悩と葛藤を描いた物語です。
クラシックの世界においては、2001年のアメリカ同時多発テロを追悼した『On the Transmigration of Souls』など、現代社会における出来事や事件を描いてきた注目の現代作曲家、ジョン・アダムズ（1947～）のオペラ『ドクター・アトミック』が有名です。
2005年10月1日にサンフランシスコ・オペラで初演されたこの作品も映画『オッペンハイマー』同様、原子爆弾の発明という世界現代史の中で重要な意味を持つ出来事を題材とした問題作で、2度と繰り返してはならない悲劇がクローズアップされています。
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
