「ミートショック」38%の価格上昇で焼肉店の相次ぐ倒産、“お肉食べ放題店”の取り組みは

AI要約

主要な食品メーカーが価格値上げを続け、輸入肉の価格高騰が続く中、焼肉チェーン業界の影響が明らかになっている。

飲食業界ではリーズナブルな価格での提供が難しくなりつつあるが、物語コーポレーション広報によると、焼き肉チェーン店の客足は伸びている。

原材料や購買管理を見直すなどの取り組みを行いつつも、企業は値上げを慎重に検討している。

「ミートショック」38%の価格上昇で焼肉店の相次ぐ倒産、“お肉食べ放題店”の取り組みは

 さまざまな商品の価格高騰が止まらない。帝国データバンクによると2024年7月以降、主要な食品メーカー195社の飲食料品の値上げ品目は、11月までの予定で1万86品目にもなるという。

 一般家庭の家計を直撃している物価高だが、飲食業界にも大きな影を落としている。リーズナブルな価格で焼き肉を提供してくれる店にとって、2021年から始まった輸入食肉の価格高騰、いわゆる“ミートショック”はとどまることを知らず、財務省の貿易統計によると、輸入肉類の価格は、2020年に比べて2023年は38%も上昇している。

 原油価格高騰による輸送コストの上昇に円安も加わり、まだまだ価格は上昇するとの見込み。これまで、輸入肉に頼ってきた焼き肉チェーン店などでは、食べ放題で集客していたところもあるが、現状はどうなのだろうか? 『焼肉きんぐ』をはじめとし、店舗を全国展開している物語コーポレーションに話を聞いた。まずは客足についてだが、

「国内全ブランドの2024年6月度の既存店売上高は、直営店とフランチャイズを含めまして前年比111・0%、客数は110・1%で増加しております」(物語コーポレーション広報、以下同)

 物価が上がる中、財布のひもを締めがちな消費者だが、やはり食べ放題など“お得”な外食にはまだ足を運んでいるようだ。しかし物価が上がり続ける中、食べ放題のメニューや単品肉の価格などの値上がりはないのだろうか?

「値上げについては、原材料を含むその他のコストを見極めながら、都度慎重に検討をすすめてまいります」

 輸入肉に頼らず、国産のものに切り替えるという方法もあるが、家畜のエサ代も上がっていて、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で10年前のおよそ1・5倍に。もともと“高級”の部類に入っていた国産肉も、より価格が高くなっているのだ。こうした中、企業としての取り組みは、

「社内に購買専門の部署を設置し、購買管理や商品調達先の管理を行っております。全店に過不足なく、商品を供給できるよう努めております」

 とのこと。