864馬力のV12をマニュアルで乗る贅沢「パガーニ ユートピア」は99台限定、4億円オーバーでも即完売のわけ

AI要約

パガーニは、マニュアルギアボックスを搭載したV12エンジンを持つ新型車「ユートピア」を発表。アナログなドライビングプレジャーを追求する姿勢が際立っている。

オラシオ・パガーニが手掛けた初代作品「ゾンダ」から「ユートピア」までのパガーニの歩みに触れ、クルマへの情熱と独自性を感じる。

「ユートピア」の開発過程で顧客から得られたフィードバックに基づき、「ドライビングプレジャー」、「軽量構造」、「アナログなドライビング体験」という要素が重視されている。

864馬力のV12をマニュアルで乗る贅沢「パガーニ ユートピア」は99台限定、4億円オーバーでも即完売のわけ

顧客はパガーニにマニュアルギアボックスを求めていた。ハイブリッド化とクレイジーな出力の時代に、パガーニはアナログなドライビングプレジャーに回帰する。マニュアルギアボックスのV12。パガーニ ユートピアの壮大なドライブ!

2速ギア、フルスロットル、2基のターボチャージャーに空気を送る。一瞬何も起こらず、1100Nmが私を襲う!加速はとても残酷で、私は必死に集中しなければならない。そのV12が2800rpmからフルパワーを発揮するとき、考えたりギアを変えたりする時間はほとんどない。レブリミッターが思いのほか早く近づいてくる。クラッチペダルを踏み、開いたシフトゲートでデリケートなギアノブを引き戻し、3速へ。アクセルから足を離し、息を吐く。

何週間も待ち遠しい日ってあるだろう?ワクワクして眠れない日ってあるだろう?今日はまさにそんな日だ!マラネッロのフェラーリでも、サンタアーガタ ボロニェーゼのランボルギーニでもなく、サン チェザリオ スル パナロという小さな村にあるパガーニだ!アトリエを訪れるのは初めてではないが、私はいつも職人技と細部へのこだわりに圧倒される。カーボンファイバーがむき出しの洗面ボウルなんて、他にどこがあるだろうか?

しかし今日、私はただ感嘆するためにここにいるのではない:パガーニの第3のモデル、「ユートピア」に乗るのだ。イタリア人曰く、「第3幕」。

「ユートピア」の背後にあるビジョンを理解するためには、オラシオ パガーニが彼の最初の作品である「ゾンダ」で自動車の記念碑を作成した1999年を振り返ってみる価値がある。発表から25年、初代モデル「ゾンダ」は現代で最も美しくエモーショナルなクルマのひとつであるだけでなく、最も価値のあるクルマのひとつでもある。「ゾンダ サンク」のような特別モデルは、今や数千万ドル(約数億円)の価値がある。

2011年には「ウアイラ」が登場した。どうすれば「ゾンダ」を超えることができるのかと尋ねられたとき、創業者のオラシオ パガーニにとって論理的な答えはひとつしかなかった!それは、「ゾンダ」の後継車ではなく、「ウアイラ」は「ゾンダ」とはまったく異なるモデルであるということだった。開発のあらゆる段階で合計350台以上の「ウアイラ」モデルを販売した後、この試みは成功だったとみなすことができる。

3番目のモデルについて、パガーニは再び同じことを自問自答しなければならなかった。創業者であるオラシオは彼自身のアイデアを持っていたとはいえ、今回はこれまでとは違うやり方で顧客を巻き込みたいと考えていた。そこで、「ユートピア」の開発フェーズの早い段階で、パガーニの最も忠実な顧客の何人かが、新しいモデルに何を望むかを尋ねられた。その結果、「ドライビングプレジャー」、「軽量構造」、「アナログなドライビング体験」という3つのポイントがすぐに浮かび上がった。