スーパーカー世代にはたまらない! 漫画「サーキットの狼」でも活躍したフェラーリ「512BB」って覚えてる? 海外オークションに出品された“悪の跳ね馬”とは
フェラーリ「512BB」は、スーパーカーの火付け役として登場し、水平対向12気筒エンジンや低重心設計など独特の特徴を持つ希少車だ。
今回の出品車はオーストリア登録でレッドとブラックのツートンカラーになり、フルメンテナンス済み。ファンにとっては貴重な1台だ。
1976年~1981年にわずか929台しか製造されておらず、出品価格も23万ユーロからと高価。フェラーリの中でもプレミアが高まるモデルである。
ヨーロッパのオークションサイト「RM Sotheby’s(RMサザビーズ)」に「悪役」として名を馳せたクルマが出品されています。
スーパーカーブームの火付け役となった作品「サーキットの狼」。その中で極悪キャラとして暴れ回り有名となったフェラーリ「512BB」です。
512BBは、1976年にデビューしました。
車体全体が低く抑えられ、2シーター、ミッドシップエンジン、後輪駆動というスーパーカーらしいパッケージを持っています。
特に、現代のフェラーリにはない直線を基調としたボディデザインが印象的です。
そしてエンジンは非常に珍しい機構を採用しています。
フェラーリらしい12気筒なのですが、512BBは「水平対向」の12気筒なのです。
詳細なスペックは4943.04cc(気筒あたり411.92cc)の縦置き型の水平対向12気筒DOHCで、最高出力は265kW(360馬力)/6800rpmを発生します。
エンジンオイルをポンプで強制的に循環させる「ドライサンプ」を採用しているため、エンジンカブにオイルを貯める「オイルパン」の必要がなく、可能な限り低い位置にエンジンをマウントすることができます。
車体の中で最重量物のエンジンを低くマウントすることは、車の重心を下げることと同じです。
512BBはエンジンを含めた車重が1400kg(乾燥重量)で、2シーターなので、エンジンが占める割合は多いはず。
重量物を低く、車体の中心に配置しているため、運動性能は相当高いということができます。
ちなみにボディサイズは全長4400mm×全幅1830mm×全高1120mm、ホイールベースは2500mmとなっています。
今回出品された個体は、オーストリアで車両登録がなされています。
ボディは、上半分がフェラーリらしいレッドで、下半分がブラックに塗装されたツートンカラーとなっています。
元々はアルジェント(シルバー)でしたが、塗装をし直したとのことです。
インテリアは、ネロレザー仕上げとなっています。ただ、綺麗な状態ではありますが、レザーやインパネなどに経年的な劣化やシワが見られます。
今回の出品にあたり、2024年2月にフェラーリの正規ディーラーで車体を全面的に整備したといいます。
エンジンのベルト/ホース/キャブレターを交換・オーバーホールし、エアコンシステム、スピードメーターも交換済み。タイヤもミシュランのクラシックモデル「XWX」の新品が取り付けられました。
なお、メーターの走行距離は1万8170kmです。正規ディーラーでの整備済み車体なので、安心して購入・維持ができるでしょう。
512BBは、1976年~1981年にかけて929台製造された希少性のあるモデルです。
それを示す通り、今回の出品価格は、最低23万ユーロ(約3840万円)からとなっています。
発売された時期を考えると、十分にプレミアがついていると言えるでしょう。
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フェラーリといえば栄光のイメージがあります。すなわち正義か悪かといえば、正義のイメージが強いでしょう。
しかし、サーキットの狼ではあえて悪役で登場しました。悪だからこそ多くのファンに強烈なイメージを与え、現在まで残っているのかもしれません