夏にやりがち《そうめんを食べ続ける》と老けやすいカラダに…? 老化スピードを速めてしまう「意外な食べ物」

AI要約

老化における重要な要素であるテロメアと葉酸の関係について解説されている。

葉酸不足や慢性炎症、糖化などが老化を促進する要因であり、適切な食事と生活習慣が重要であることが述べられている。

葉酸や抗酸化作用のある食品を摂取し、果糖やグルテンを過剰に摂取しないように注意することが老化を遅らせるカギである。

夏にやりがち《そうめんを食べ続ける》と老けやすいカラダに…? 老化スピードを速めてしまう「意外な食べ物」

そもそも「老化」とはどのような現象なのか。

今年92歳を迎えてなお現役の、女子栄養大学副学長・香川靖雄氏が解説する。

「細胞内の遺伝を担う染色体の両端についている、紐のような構造『テロメア』が老化と深く関わっています。細胞分裂のたびに短くなっていき、ある程度までテロメアが短くなると細胞分裂が止まる。こうして分裂しなくなった細胞が老化細胞となります。老化細胞ばかりになれば寿命が尽きますから、テロメアは『命の回数券』と呼ばれているんです」

長寿の人が持つテロメアは長い。それをなるべく短縮しないことが老化を遅らせるカギだ。

たとえば、喫煙や高血圧、肥満などで細胞が慢性炎症を起こしている場合、それを修復しようと分裂を繰り返すことでテロメアが短くなる。

このテロメアの短縮を遅らせる効果があるのが、ビタミンの葉酸だと香川氏は強調する。

「葉酸はテロメアを含むDNAの合成や修復に不可欠なものですが、日本人の6割は、葉酸が欠乏しやすい遺伝子を持っている。そこで葉酸の含まれる食品を積極的に摂取することが重要です」

たとえば、ブロッコリーやほうれん草などの緑黄色野菜が挙げられるが、気軽に摂取できる緑茶も良い。ただし、注意点があると香川氏は語る。

「葉酸は光に当たると徐々に分解されるので、ペットボトルに入ったお茶ではほとんど摂取できません。また、サプリで大量摂取すると健康被害につながることが報告されています。私がお勧めするのは、ネットでも販売されている、穀類に葉酸を加えた葉酸米を食べることです」

慢性炎症以外にテロメアの短縮を促すのは、「酸化」と「糖化」である。

ビタミンCやビタミンEなどを含む抗酸化作用のある食べ物が老化のスピードを抑えるのはよく聞く話だが、過剰な糖質により、たんぱく質を劣化させる「AGEs」がつくられてしまう「糖化」にも気を付けたい。

みぞぐちクリニック院長の溝口徹氏が語る。

「体内にあるたんぱく質に糖がくっつき、その機能が落ちることが『糖化』であり、老化のスピードを速めます。果物に含まれる果糖は他の糖類と比べ糖化させやすく、過剰摂取はお勧めできません。菓子パンや清涼飲料水などに含まれる果糖ブドウ糖液糖はできるだけ避けることが大事です」

そう語る溝口氏は、夏に食べたいそうめんに含まれるグルテンも、肥満や疲れに関係し、老化を進めることがわかってきたと警鐘を鳴らす。そうめんやうどん、パンよりも十割そばや納豆、豆腐を食べると良い。

後編記事『「サンダルよりスニーカーを履いたほうが寿命は延びます」老化スピードを遅らせるために、今すぐできる「生活習慣」』へ続く

「週刊現代」2024年8月3日号より