デリケートゾーンの気になるブツブツ。その正体は性病?放っておくと危ない病気も?詳しく解説

AI要約

デリケートゾーンの「ブツブツ」について、痛みのあるものとないものに分けて解説。痛みのあるものには毛包炎やバルトリン腺膿瘍などがあり、治療を怠らないようにする必要がある。

痛みのないものには粉瘤やアクロコルドンなどがあり、放置しても問題ないものもあるが、尖圭コンジローマなどの性病は放置せず治療が必要。

早期発見と適切な治療が重要であり、恥ずかしがらずに病院を受診することが大切。

デリケートゾーンの気になるブツブツ。その正体は性病?放っておくと危ない病気も?詳しく解説

ルックスも機能も完璧なデリケートゾーンを目指して日々フェム活に励む、フェムケア・スパ ジャーナリストの惣流マリコさん。フェム活をはじめてはや10年、実際に体験したデリケートゾーンケアアイテムやクリニックメニュー、婦人科系疾患まで、女性のからだにまつわる話題のスペシャリストだ。そんな彼女が今回着目したのは、脱毛が盛んな夏に発見しやすい、デリケートゾーンの「ブツブツ」について。恥ずかしくてもスルー厳禁! 見て見ぬふりを続けるのではなく、この機会にぜひ正体が何なのか見極めよう。

最初は目で見て発見するというより、椅子に座った時やトイレで違和感や痛みを感じて気づくことが多いようです。そこで痛みのあるもの、ないものをリストアップしてみました。

【痛みのあるおでき】

1. 毛包炎・毛嚢炎(ニキビ)

過去に私が慌てふためいたのがこれ! トイレットペーパーが触れたところに激痛が走り、恐る恐るのぞいてみるとそこには大きく赤黒いブツがあったんです。もうその衝撃たるや……。世の中にはこんなに潜伏期間の長い性病があるのかと思いました。

海老根院長によれば、「毛根部分に炎症が起き、膿がたまってできた要は赤ニキビです。軽いものなら放っておいてもいずれ治りますが、切開して膿を出し抗菌剤を使ったほうが早くきれいに治ります。ただどんな菌でも毛の中で繁殖すれば毛嚢炎になりますので、身に覚えがあるときは性病検査も併用すべきです」とのこと。

身に覚えがない私はただのニキビでしたが、実際検査すると淋菌だった人もいるそうです。恥ずかしついでにしっかり検査、治療もしましょ。

2. バルトリン腺膿瘍(のうよう)

膣口のすぐそばにあり、性交時には潤滑液を分泌するバルトリン腺。本来は小さい器官なので意識することはありませんが、なんらかの原因で出口がふさがると分泌液が中にたまり、バルトリン腺嚢胞(のうほう)というしこりができることも。

「この時点では座って違和感がある程度ですが徐々に大きくなり、疲労や風邪などふとしたタイミングで免疫が落ちて、嚢胞が感染を起こすと痛みや発熱を伴うバルトリン腺膿瘍となります。そうなると抗生剤の服用や、切開して(レーザーで穴を開けて)膿を出すなどの治療が必要です」(海老根先生)

嚢胞の状態でも、しこりが座ったり歩くなどの動作や性交時の妨げになることもあるそうです。触って何かある、と思ったら受診しておきましょう。あそこの激痛はホントに切ないです!

3. ヘルペス

フェム活マニアを襲ったできものその2がこれ。なんかかゆいなぁと思ったらあれよあれよという間に激痛となり、なんとそこには水泡が……。でも性病じゃなかったんです。

「ヘルペスウイルスは水泡の中に潜んでいるので性交により感染することもありますが、そもそもヘルペスは皮膚が薄い場所、弱いところに出てくるもの。ストレスや疲労が蓄積すると陰部にできてしまう女性は少なくありません。内服薬や塗り薬で症状はおさまりますが、再発も多いです」(海老根先生)

4. 他にもあるレアなおできたち

「痛みのあるしこり=バルトリン腺膿瘍と思いがちですが、膿がたまってないのに腫れて痛くなるバルトリン腺炎やリンパ液がたまって嚢胞となるリンパ嚢胞、正式な病名はないのですが小陰唇の中に膿がたまる人もいます」(海老根先生)

痛かゆいと思ったら病院へGO。早期治療が大吉です。

【痛みのないおでき】

あるのは分かるけど痛くもかゆくもなんともない。見た目を気にしないのであれば様子見でいいものもあるそうですが、できたら絶対治療しなければならない性病も。

1. 粉瘤(ふんりゅう)

「アテロームともいい、皮下に袋状の構造物ができ、皮脂や老廃物がたまって膨みます。できる原因ははっきりとは解明されていませんが皮脂腺のある場所なら体のどこでもできる可能性があります。良性腫瘍なので痛みがなければ様子見で大丈夫ですが、気になるようであれば手術で取り除きます」(海老根先生)

穴があって押すと内包物が出てくるものもありますが、ニキビと違ってそれでは治らないし細菌に感染する危険性もあるので気を付けて。

2. アクロコルドン(スキンタッグ、軟性繊維腫)

脱毛後や水着になった時に気づきやすい、小さめのできものがこちら。首や脇の下にも見つかるアレです。周りの皮膚と色はそう変わらないのですが、あるとやっぱり老けた印象に。

「皮膚の老化や紫外線、摩擦などの物理的刺激が原因と言われています。良性なので基本放置して構いませんが、気になる場合はハサミやレーザーで切除できます。一度取ってしまえば再発は少ないのですが、近い場所に新たにできることはあります」(海老根先生)

3. 腟前庭部乳頭症

発生はまれだそうですが、性病と見間違えやすいおできがこちら。

「膣前庭部(小陰唇の内側部分)に突起物が出る症状を指します。他の部分より粘膜の凸凹がハッキリして見えるのが特徴です。腫れたり増えたりすることはないのでそのままにしていいのですが、尖圭コンジローマと間違われることもあり、切除も可能です」(海老根先生)

4. 尖圭コンジローマ

痛みのないおできの中で何があっても放置してはいけないのがこれです! 見た目はカリフラワー状の増えるイボ。婦人科のドクターたちが「最近とみに増えている」と口をそろえる注目の性病です。

「ヒトパピローマウイルス(HPV)に感染することで発症します。膣前庭部入乳症と似たような場所にできるので間違える患者さんもいらっしゃいますが、カリフラワーとも鳥のトサカとも表現されるトゲトゲした形をしているので医師ならすぐ分かります。小さいものがひとつだけなら軟膏で取れますが、その間は性交渉不可ですし、よく見ると外陰部だけでなく膣の中にも広がっていることがあるのでレーザー処理のほうが確実です。コンジローマの数にもよりますが少なければ1回、多くとも2~3回の通院で解決します」(海老根先生)