森美術館の2025年スケジュールが発表。藤本壮介展、六本木クロッシング2025展など、不透明な未来にビジョンを描く

AI要約

森美術館の2025年度スケジュールが発表され、革新的な展覧会やプログラムが企画されている。

建築家藤本壮介の初の大規模回顧展や日本のアートシーンを総覧する展覧会「六本木クロッシング」が開催される。

また、新しいテクノロジーが芸術表現に及ぼす影響を探求する「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AI と現代アート」も注目を集める。

森美術館の2025年スケジュールが発表。藤本壮介展、六本木クロッシング2025展など、不透明な未来にビジョンを描く

森美術館の2025年度スケジュールが発表された。不透明感を増す未来に、私たちはどのようなビジョンが描けるのだろうか。様々なアーティストやクリエイターの革新的かつ多角的な視点をとおして、現代社会を俯瞰する展覧会やプログラムが企画されている。

これまで、ル・コルビュジエ、フォスター+パートナーズ、へザウィック・スタジオといった建築家・スタジオの個展を開催してきた森美術館。いま、もっとも注目される日本の建築家の一人である藤本壮介を紹介する展覧会が開催される。

藤本壮介は、東京とパリ、深圳に設計事務所を構え、個人住宅から大学、商業施設、ホテル、複合施設まで、世界各地でプロジェクトを展開している。《武蔵野美術大学美術館・図書館》(2010、東京)を手掛けた後、近年では集合住宅《ラルブル・ブラン(白い樹)》(2019、フランス、モンペリエ)や音楽複合施設《ハンガリー音楽の家》(2021、ブダペスト)など、高い評価を得たプロジェクトを次々と完成させ、現在「2025年大阪・関西万博」の会場デザインプロデューサーを担当している。

本展は、藤本にとって初の大規模な回顧展であり、活動初期から世界各地で現在進行中のプロジェクトまで主要作品を多数紹介し、四半世紀にわたる建築家としての歩みや建築的特徴、思想を概観する。また、模型や設計図面、記録写真に加えて原寸大模型やインスタレーションなども展示に含まれ、藤本建築の思想の本質を視覚的・空間的に体験できる建築展となる予定だ。

森美術館で2004年から3年に一度開催する、日本のアートシーンを総覧する定点観測的なシリーズ展「六本木クロッシング」は、8回目を迎える。

森美術館のキュレーターが数名のゲスト・キュレーターと共同で企画し、複数の視点の交差によって日本のアーティストを選出する。既に国際的な活躍が目覚ましいベテランから今後の活躍が期待される新進気鋭の若手まで、現代美術のみならず、建築、ファッション、デザインなどのクリエイターも紹介し、創造活動の交差点(クロッシング)となる展覧会を目指してきた。

本展では、アジアを拠点にグローバルなアートシーンで活躍するレオナルド・バルトロメウス(山口情報芸術センター[YCAM]キュレーター)、キム・ヘジュ(シンガポール美術館シニア・キュレーター)と協働し、国際的な視点から日本のアートを捉える。多文化主義が進んできたいっぽうで、様々な軋轢や分断に直面する現代において、アーティストたちの活動も影響を受け、変化し、新たな表現を生み出している。日本のアートのいまと、それが大きな文脈の中でどのような意義を持つのか、改めて検証する。

また、「マシン・ラブ:ビデオゲーム、AI と現代アート」(2025年2月13日~6月8日)では、今まさに注目されている新しいテクノロジーが芸術表現にどのような影響や可能性をもたらすのかを探求する。2025年の森美術館のプログラムに注目したい。