スペインとフランスのあいだ 非課税のミニ国家「アンドラ公国」ってこんなとこ

AI要約

アンドラ公国への週末旅行で想定外の暑さに驚いた著者。ラッキーな偶然で夏祭りに参加し、無料のワインテイスティングやコンサートを楽しむ。温泉施設「カルデア」に失望するも、非課税の国ならではのショッピングも楽しむものの、山好きやスキー好きにとっては最適な場所と感じる。

アンドラ旅行での思い出を振り返りながら、海や島が好きであることを再確認する。

山やスキーが好きな人、ショッピングや温泉を楽しみたい人、非課税の国を体験してみたい人に向けた記事。

スペインとフランスのあいだ 非課税のミニ国家「アンドラ公国」ってこんなとこ

週末に、お隣のアンドラ公国へ行ってきました。アンドラはスペインとフランス国境のピレネー山脈の谷間にあるミニ国家です。バルセロナからは車で片道およそ3時間。首都のアンドラ・ラ・べリャは、標高1000メートルを超えます。

バルセロナも最近では耐え難い暑さがやってきたので、少しでも避難できたら──とやってきたのですが、まさかのめちゃくちゃ暑い。なんならバルセロナより暑い。というのも、首都は山に囲まれているので盆地状態。まるでプチ・マドリッド。

数年前にアンドラに行ったときは10月で、とても涼しかったし、なんなら雨にも降られたので(バルセロナは10月で泳げるくらい暑い)、完全に涼しいものと信じ込んでいたのです。

しかも、夕方に受付が普通のテーブルという名ばかりの“三ッ星ホテル”にチェックインすると、なんとエアコンがついていない。これは地獄。アンドラのハイシーズンは冬。普通は、みんなスキーお目当てでやってくることは知っていました。でも、夏がこんなに暑いならエアコンは必須でしょ……。

と、アンドラに到着して数時間で夏の洗礼を受けたのですが、偶然にもその日が夏祭り最終日というラッキーなこともありました。まずは喉を潤すべく、たまたまプログラムで見つけたワインテイスティングに参加してみることに。5種類のワインを試して、最後に気に入ったワインをもう一杯。支払いをしようとすると、いらないいらない、というジェスチャーをされ、このイベントが無料だったことを知る。ラッキー。

夜にはお祭りには欠かせないコンサートも開催され、そこに登場したのはVicco。日本では有名ではないと思うので誰だよ、という感じでしょうが(私も名前だけでは誰だかわかりませんでした)、去年スペインでヒットした『Noche Ochentera』を歌っている歌手です。

ここまで偶然の出来事を書いてきましたが、そもそも、どうしてアンドラに行ったのかというと、その目的は「温泉」でした。といっても私たち日本人が想像する温泉とは全然違います。

それが「カルデア」というスパ施設で、大きな生ぬるいプールにジャグジーがついていたり、サウナやトルコ風呂があったりします。今回は2回目で、私は涼しむためにカルデアに行きたいという願望がありました。ですが初めてきたときは、事前に「温泉」だと聞かされており、ラクーアのような施設を多い描いていた私の絶望は──ご想像にお任せします。

「山に雪が積もっているのを眺めながら、屋外の湯船(カルデアの生ぬるい水のこと)に浸かるのがいいんだよ」

と、一緒に行った方は宣っておられましたが、こんな生ぬるさではとてもじゃないけど冬の寒さに耐えられません。なので、カルデアは夏に行くのが一番だと私は思っています。

前述しましたが、アンドラはスキーリゾート地なので、ほかはとくにやることがありません。非課税の国なので、タバコやお酒を大量購入したり電化製品を求めたりして、フランスやスペインからやってくる人が多くいます。ドン・キホーテのような店が連なり、観光客がこぞって訪れていましたが、ほかのものはよく見ると特別安いわけではないので、前回も今回も私は何も買いませんでした。

あまりアンドラに行きたいと思わせるような内容にはなりませんでしたが、山好き、スキー好きの人にはきっと最高の場所です。そしてタバコを安く大量に買いたい人にも。でも、自分はやっぱり海や島が好きなのだと痛感した週末なのでした。