「かあちゃーん、パンツがないよー、あ、死んじゃったんだ」タレント・あべけん太「ダウン症は体質みたいなもの」と話す両親の教え

AI要約

けん太さんは明るい性格で、小学校や中学校では後ろからついていくことが多かったが、高校からは周りを引っ張っていくようになった。

お兄さんの俊和さんとは仲が良く、お互いを尊重しあいながら楽しく過ごしている。

俊和さんは「きょうだい児」という言葉に疑問を持ち、ダウン症を気にせず、けん太さんを応援し続けている。

「かあちゃーん、パンツがないよー、あ、死んじゃったんだ」タレント・あべけん太「ダウン症は体質みたいなもの」と話す両親の教え

今年、ダウン症ではまだ前例が少ないフルマラソンに挑戦するタレントのあべけん太さん。毎日を楽しみながらさまざまな挑戦を続ける秘訣を、実の兄でけん太さんの個人事務所社長でもある安部俊和さんとともに伺いました。(全2回中の2回)

■「きょうだい児」だからと我慢したことはまったく

── けん太さんは、小さい頃から明るい性格だったのですか。

俊和さん:もともとの性格は明るいと思うんですけど、こんなに明るいキャラクターではなかったですね。小学校と中学校は、姉と僕も通っていた地元の学校に通っていて、みんなの後ろからついていって、引っ張ってもらっている感じでした。先頭に立つことはなかったですね。高校からはフリースクールに進んで、そこにはダウン症とか自閉症とか不登校の子もいて、みんなを引っ張っていくようになったみたいです。

── 小学校や中学校で、大変なことはありましたか。

けん太さん:少しプレッシャーがあって、ちょっと緊張しました。つらいことはなかったんですけど、中学のときは、少し厳しかったかな。

俊和さん:勉強についていくのが大変でしたね。授業中は、母が作ったけん太専用ドリルをやっていました。先生も受け入れてくださっていました。剣道部に入っていて、先生はかわいがってくださいましたけど、練習は厳しいときもあったよね。

──おふたりは小さい頃から仲がよかったのですか。

俊和さん:そうですね。姉とは8歳、僕とは6歳離れているので、小さい頃からけん太はかわいい存在です。なんでもがんばる弟で、「挑戦しようぜ」と言うたびに「よし、やってみよう!」と、目標に向かって努力して達成するので、一緒にいて楽しいですね。

けん太さん:おもしろい兄ちゃんでしょう?

俊和さん:いやいや、おもしろいのはおまえだよ。

けん太さん:厳しいところはあるんですけど、兄弟でいいなと思っています。

俊和さん:数年前から、「きょうだい児」という言葉を見かけるようになって、「きょうだいに障がい者がいると、自分がやりたいこともできないし、守っていかなきゃいけないから大変だよね」と言われることがあるんですけど、僕はまったくそんなことは感じたことはないんです。小さい頃から、彼がダウン症だということはわかっていましたけど、「だからどうしたの?」という感じでした。両親は、「ダウン症は体質だと思え」とよく言っていました。「身長が高い人もいれば低い人もいる。そういうものだから、気にするな」と。