ポルシェが新型パナメーラにニュル最速ハイブリッドのターボS E-ハイブリッドと硬派なGTSを追加

AI要約

2023年末にワールドプレミアされた新型「パナメーラ」には、ターボS E-ハイブリッドとGTSが追加され、それぞれ特徴的な性能やデザインが備わっている。

ターボS E-ハイブリッドは、782psのプラグイン・ハイブリッドシステムを搭載し、最速タイムを誇るモデルであり、特徴的なエクステリアやインテリアを持つ。

GTSは俊敏性を高めたピュアスポーツモデルとして位置付けられ、500psのV8ツインターボエンジンを搭載している。また、ダイナミックな走りを楽しめる設計となっている。

ポルシェが新型パナメーラにニュル最速ハイブリッドのターボS E-ハイブリッドと硬派なGTSを追加

ポルシェは2023年末にワールドプレミアされた3代目となる新型「パナメーラ」に、「ターボS E-ハイブリッド」と「GTS」を追加し、2024年7月19日から予約受注を開始した。

◆7分24秒172

ターボS E-ハイブリッドは、ラグジュアリーな走りからサーキット走行に対応するトップパフォーマンスまで多彩なニーズに1台で応えてくれるモデル。ニュルブルクリンク北コースにおいて、7分24秒172というハイブリッド・ラグジュアリー・サルーンの最速タイムを記録している。

◆「ターボ」専用色を用意

エクステリアは、特徴的なリア・バンパーとボディ・カラー同色のフロント・エンドを採用。リアまわりには、ダーク・ブロンズのクロームメッキ仕上げのテールパイプが備わる。足元には、イエローのブレーキ・キャリパーの「ポルシェセラミックコンポジットブレーキ」(PCCB)が標準装備され、E-ハイブリッドならではのカラーである「アシッド・グリーン」も選べる。

エレガントなメタリックグレーの「ターボナイト」は、「ターボ」グレード専用カラーで、フロントのエア・ブレード、リア・バンパーのストリップ、センターロック式の鍛造21インチ・ホイールにもこのカラーが採用されている。さらに、インテリアの各所にも「ターボナイト」を配色。シート、ドア・トリム、ダッシュボード、フロアマットにも「ターボナイト」のコントラストステッチが施されている。ルーフライニングは、スエード調の「Race-Tex」を採用している。

◆782psのプラグイン・ハイブリッド

パワーユニットは600㎰の4.0リッターV8ツインターボに190㎰のモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド。ユーロ7をクリアするエンジンは、ツインスクロールターボチャージャーからシングルスクロールターボチャージャーに変更されているのがトピックスだ。

デュアルクラッチ式8段自動MT(PDK)は再設計することで、-ハイブリッドの強大な駆動トルクに対応している。リチウムイオン・バッテリーの容量は25.9kWh。最大88kmのEV走行が可能となっている。モーターの回生出力は88kW。

システム出力は先代よりも102㎰高い782㎰で、システムトルクは150Nm上回る1000Nmに到達している。0-100km/h加速を2.9秒で、最高速度は325km/h。先代よりも0.5秒の短縮になり、最高速は25km/h向上している。

◆「E-ハイブリッド・ドライブ」を搭載

シャシーでは、「ポルシェ・アクティブライド・サスペンション」を標準装備。400Vの高電圧システムを用いた電動油圧ポンプにより各ショックアブソーバーの伸び側と縮み側の動きを制御することで、ボディの動きをほぼ完全に補正し、ダイナミックな走りでもフラットライドを実現する「E-ハイブリッド・ドライブ」を搭載。ほかにも後輪操舵や、フロントに直径440mm、リアに直径380mmのカーボン製ディスクを備えた「ポルシェ・セラミック・コンポジットブレーキ」(PCCB)を備える。

なお、ニュルブルクリンクで記録を更新したモデルには、新しいカーボン・エアロキットとミシュランが特別に開発したUHPタイヤが装着されている。

エアロキットは、パナメーラターボとターボS E-ハイブリッドに装着可能で、カーボン製のエア・ブレード、サイド・スカート、リア・ディフューザーからなり、サーキット走行時の空力バランスを最適化。フロント・スポイラーには、前輪の揚力を完全に排除し、アダプティブ4ウェイのリア・スポイラー・ガーニーフラップと組み合わせることで、ダウンフォースを発生させる。200km/h走行時のダウンフォースは60kg向上しているという。また、フロントが275/35ZR21、リヤが325/30ZR21のミシュラン・パイロット・スポーツ・カップ2は、パナメーラのダイナミックな走行条件に合わせて特別に開発されている。

◆俊敏性を高めたピュアスポーツ

パナメーラGTSは、パフォーマンス重視のチューニングが施され、俊敏性を高めたピュアスポーツに昇華されたモデル。

エクステリアは、ボディの両サイドとリアのブラックの「GTS」ロゴ、独特なフロント・セクション、ダークティンテッドHDマトリックスLEDヘッドライトとテールライト、そしてレッドのブレーキ・キャリパーを採用。サイド・スカート、フロントエリアのインセット、サイドウインドウトリム、リア・バンパーはマットブラック仕上げ。スポーツ・エグゾーストのテールパイプは、「ダーク・ブロンズ」で、「アンスラサイト・グレー」の21インチ・センターロック・ホイールがさらなるアクセントを付加している。

インテリアでは、ルーフライニングやアームレスト、ドア・パネル、18ウェイ調節機能付アダプティブスポーツシートのセンターパネルに、スエード調の「Race-Tex」を採用。また、「カーマイン・レッド」または、「スレート・グレーネオ」の2つのGTS専用インテリア・パッケージや、「マット・カーボン」のインテリア・パッケージも設定されている。そのほか、GTSには「Boseサウンドシステム」、ストップウォッチとプッシュ・トゥ・パス機能を備えた「スポーツクロノパッケージ」などが標準装備されている。

◆ダイナミクスな走りが楽しめる

パワートレインは4.0リッターV8ツインターボで、先代を20㎰上回る500㎰の最高出力を発生し、0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は302km/hに到達する。標準装備のスポーツ・エグゾースト・システムは、パワフルでエモーショナルなサウンドを生み出す。

PASMを備えた脚まわりには、デュアルチャンバー2バルブ・エア・サスペンションを採用。10mm低くなったボディと強化されたスタビライザーによって、さらにダイレクトな走りと低い基本スプリングレートが実現。さらに、電子制御の「PTV Plusディファレンシャルロック」がホイール間のトルク配分を最適化。これらにより回転数の全域にわたってピッチとロールを低減させてボディの安定性を高め、快適性を大きく損なうことなくダイナミクスな走りが可能になったとしている。

ターボS E-ハイブリッドとGTSともに、最新機能の「ポルシェ・ドライバー・エクスペリエンス・コントロールコンセプト」を搭載。高解像度で遠くまで届くHDマトリックスLEDライトやApple CarPlayの高度の統合など最新のインフォテイメント・システム、助手席側ディスプレイでのビデオ・ストリーミング、スマホ・アプリを使用する車外から車両を駐車させる機能などが備わる。

価格は、ターボS E-ハイブリッドが3325万円、GTSが2267万円となっている。

文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)