全国で流行中の「手足口病」は大人もかかる 舌や頬の内側に口内炎が10個も…恐怖の体験

AI要約

手足口病が全国で流行中であり、今年の報告数が過去最多であることが懸念されている。

感染は主に子どもに起こるが、大人も罹患する可能性があり、症状は手足や口の水疱発疹、口内炎などである。

感染を防ぐためには手洗いやうがいの徹底、マスクの着用、感染症対策の重要性を再認識する必要がある。

全国で流行中の「手足口病」は大人もかかる 舌や頬の内側に口内炎が10個も…恐怖の体験

 近くに小さな子どもがいる人は要注意だ。

 全国で手足口病が流行中だ。国立感染症研究所によると、今年4月以降は患者の報告数が増え続け、7月8~14日に約3000の指定医療機関から報告された平均患者数は13.34人。同時期にここ10年で最多だった、2019年の12.64人を上回った。

 手足口病はその名の通り、手足や口の中などに水疱を伴う発疹ができ、熱が出る感染症。飛沫や、ウイルスが付着した物などを介して、感染が広がる。患者は2歳以下の子どもが半数を占めるというが、大人がかかることもある。都内在住の30代女性は、6年前に感染した体験をこう語る。

「初めは当時1歳の娘が発症し、そのあと私にうつってしまいました。熱はそれほどでもなかったのですが、発疹が手足にでき、歩くのも痛かった。しかも、かゆみを伴い、かきむしってしまうと水疱が破れて余計酷くなるので、我慢するしかありません。一番つらかったのが口内炎です。舌や頬の内側に10個もできてしまいました。とてもしみるので何を食べても苦痛で、おかゆなどなるべく食べやすいものしか口にできませんでした」

■感染症対策もゆるみがち

 大人の場合、子どもほど重症化するリスクは高くないそうだが、それでもつらい症状だ。これ以上の感染拡大を防ぐには、何をすべきか。

「やるべきは、手洗いやうがいの励行など、基本的なことです。感染の中心は子どもですので、症状のある子にはマスクをさせるなど、ウイルスの拡散を防ぎましょう。また、最近は新型コロナや溶連菌などの感染症も流行しています。昨年5月のコロナ5類移行から、感染対策がゆるんでしまっていることが一因にあると思います。初歩的なことから改めて徹底しましょう」(昭和大医学部名誉教授・二木芳人氏=臨床感染症学)

 夏休み中でも、林間学校やキャンプなど子ども同士が接触する機会は多い。気を緩めてはダメだ。