オールブラック時計の傑作5選 クールな存在感、ハイテクで実現

AI要約

オールブラック時計の歴史とトレンドについて述べられており、ポルシェデザインやウブロの模倣を通じて定着したことが明確に示されている。

オールブラック時計が人気となる理由やビジネススタイルへの適合性について詳しく説明されており、大胆なデザインが持つ魅力やステータス性に焦点が当てられている。

最新のオールブラック時計を紹介し、ビジネスパーソン向けの提案が行われている。

オールブラック時計の傑作5選 クールな存在感、ハイテクで実現

文字盤、ケース、ブレスレット(ストラップ)のすべてを黒で統一したモデルが時計界の一大勢力となっています。当初はキワモノ的に感じていたものの、今や人気ブランドで手がけていないところを探すほうが困難なほど。街中でオールブラックの時計を見かける機会が増えるにつれ、そのクールな存在感が気になり始めたという人も多いんじゃないでしょうか。

この手のオールブラック時計、一体いつ頃から作られるようになったのでしょうか。

軍用のパイロットウオッチやダイバーズウオッチでは、緊迫した場面で時計をキラリと光らせないために外装を黒く塗装した時計が、昔からありました。一方、市販の高級時計では、ポルシェデザインが1972年に発表したクロノグラフが初めてだといわれています。

ポルシェデザインは、ポルシェ創業者の孫にして、あの名車ポルシェ911をデザインしたフェルディナント・A・ポルシェ氏が立ち上げたデザインスタジオ。その最初のプロダクトが外装をマットブラックに特殊コーティングした「クロノグラフ1」だったのです。

オールブラックの中に、白の針や目盛りがくっきり浮かぶそのたたずまいは、まるでスポーツカーの計器をそのまま腕時計にしたようだと絶賛され、時計好きや自動車好き、優れたプロダクトデザインを好む方の間で人気となりました。

その後、PVD(物理蒸着)など金属に様々な素材の薄い膜をコーティングする技術の進化に伴い、他ブランドでもオールブラック時計を見かけるようになりました。これを一大トレンドとしたのは、2000年代に入ってから続々登場した、セラミックやカーボンなどのハイテク素材によるオールブラック時計でしょう。

中でも2006年にウブロが発表した「ビッグ・バン オールブラック」は衝撃でした。ブラックセラミックを外装に用い、針やインデックスまで真っ黒に仕上げ、お世辞にも視認性がいいとはいえないモデルでした。

筆者は同年のバーゼルワールド(かつて世界最大だった時計展示会。2020年に事実上消滅)のウブロブースで出来たてホヤホヤの実機を取材しましたが、カメラマンが撮影にとても苦労していたのを覚えています。しかし、視認性より見た目のクールさを優先するこの大胆さが、エッジの効いた個性派時計を求める人たちの心を捉えて大ヒット。これがオールブラック時計の人気に一層の拍車をかけたのです。

今やトレンドを超え、1つのカテゴリーとして確立されたオールブラック時計。多くの人が引かれる理由は、まずは手元を新鮮に演出するからでしょう。実際、見慣れた定番時計も、オールブラックとなると精悍(せいかん)さが増したり、モードなテイストを帯びたりします。

ある種のステータス性をまとえるところも大きいと思います。オールブラックを実現するには、高度な表面加工技術に加え、セラミックやカーボンといったハイテク素材を駆使しなればなりません。要は、複雑機構を搭載したモデルのように「役」が1つ乗った特別な時計なのです。

コンサバな方は、時計だけ悪目立ちしないか心配すると思いますが、ブラックは装いの基本色ということもあり、意外とビジネススタイルにシックになじむものです。とりわけセットアップやジャケパンとの相性は抜群で、夏場のシャツイチスタイルやポロシャツ姿のアクセントにも絶好です。

ここからは新作を中心に、周囲に差をつけたいビジネスパーソンにおすすめしたいオールブラック時計をピックアップして、ご紹介します。さりげなく非凡なセンスを見せつけたい方は、この夏、思い切ってオールブラックデビュー、いかがでしょう?