【画像40枚】4WDもあり!スズキの新型SUV「フロンクス」のディティールチェック!! エンジン&トランスミッションなど日本仕様はどうなる?

AI要約

スズキが満を持して日本市場に投入するコンパクトSUV「フロンクス」について、インドでの発表から日本導入までの経緯やその特徴、性能、価格設定など詳細に解説されている。

エクステリアやインテリア、コックピットインターフェース、ユーティリティ、エンジン・トランスミッション、駆動方式・サスペンション、タイヤ・ホイール、価格とグレード・スペックなど、多岐にわたる情報が提供されている。

今後の先行展示会の情報も含め、フロンクスに関する最新情報が網羅された記事である。

【画像40枚】4WDもあり!スズキの新型SUV「フロンクス」のディティールチェック!! エンジン&トランスミッションなど日本仕様はどうなる?

スズキが満を持して日本市場に投入するコンパクトSUV「フロンクス」、その情報がいよいよ解禁された。早速、注目の日本仕様の詳細をチェックしていこう。ただし、現状では発売は秋頃と発表されており、今回公開された日本仕様もまだプロトタイプということになる点はご了承いただきたい。

PHOTO:中野幸次(NAKANO Kouji)フロンクスは2023年1月12日にインドで開催された「オートエキスポ2023」で発表されたマルチ・スズキ(・インディア)のブランニューSUV。インド市場を中心に南アフリカやチリなどの南半球エリアで販売され、好評を博している。

2024年2月に鈴木俊宏社長が日本導入について語った談話があったが、2024年7月1日についに正式に発表があったことは記憶に新しい。しかし、ここまではあくまでインドを中心とした海外モデルと、日本導入発表までの話。

そして7月25日、ついにプロトタイプながら日本仕様車が公開された。

エクステリア

フロンクスは二代目バレーノと共通のプラットフォームを使用。3990mmという全長や1.2Lガソリンエンジンなど、多くのコンポーネンツを共有している(インド仕様)。

しかし、デザインは全く異なっており、より上質感のある洗練されたスタイルになっている。また、前後のフェンダーにはクラッディングを設け、サイドシルや前後バンパーの下端にガード風の加飾をあしらいSUVらしい力強さを演出。エッジの効いたフロントマスクと先進的なライトまわりのデザイン、前後フェンダーのプレスラインがもたらすコントラストの強い流れるようなサイドビューなど、そのデザインが発売された各国で高い評価を受けているのも頷ける。

全長はインドでの税制上の関係で4.0m未満に収まる3990mmに設定されているが、前後ウインドウを大きく傾斜させたデザインのためか数値の割に伸びやかな印象を受ける。逆に1765mmという全幅によるスクエアなディメンジョンと四隅に配置されたホイールハウスがどっしりとした安定感を感じさせる。

全長に対してホイールベースは2520mm。同じく全長3990mmのトヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーの2530mmと共に、このクラスでは標準的な数値。それでいて、最小回転半径は4.8mはより全長の短いソリオ(3790mm)やスイフト(3845mm)に匹敵する。

フロントバンパーのランプポッドから続くライン、フロントドアからリヤドアにかけて持ち上がるライン、リヤドアからリヤフェンダー、さらにリヤのランプポッドに続くラインがコントラストの強い立体感を醸し出す。

前後のウインドウ傾斜角が大きいだけでなく、ルーフも緩やかに後継したクーペスタイルは、ブラックのツートーンルーフ(※)から続くブラックアウトしたDピラーによるフローティングルーフデザインで強調されている。

※モノトーンルーフもあり

また、全高を全モデル1550mmに収めた点は大きい。日本仕様に限った話ではないが、少なくとも日本では立体駐車場に収まるサイズというのは、利用できる駐車場の選択肢が増えるのでありがたい。

日本仕様のスペックではまだ公表されていないが、インド仕様では最低地上高は170mmを確保しており、街乗りSUVではなく本格的なオフロード走行も視野に入れたモデルであることが窺い知れる。

インテリア

サイズ的にはコンパクトSUVにカテゴライズされるフロンクスだが、メイン市場のインドなどでは上級モデルであり、インテリアの質感や機能、そして静粛性などはしっかりと作り込まれている。

インテリアはダークグレーを基調にダッシュボードやセンターコンソールにシルバーの加飾をあしらい、ドアトリムとアームレストにはシートと合わせたボルドーカラーのレザー調表皮を組み合わせる。

ヘッドレストと背もたれ上部、座面前端にボルドーカラーをあしらうレザー調シートは、背もたれと座面はファブリック表皮を組み合わせる。ドライバーズシートの調整は前後と高さ、角度というオーソドックスなもので、全てレバー式となっている。

室内空間は全長3990mmの数値以上にルーミーで、クーペスタイルながら圧迫感が無いのは1765mmという全長に対して大きめの全幅によるものと思われる。しかし、全長やホイールベースの影響が大きいであろう前後方向でも窮屈なことはなく、リヤシートのレッグスペースにも余裕が感じられるのはスズキのパッケージングの妙と言えるだろう。

コックピットインターフェース

世界のさまざまなユーザーに寄り添うスズキは、過度な機能や斬新すぎるインターフェース、独特なレイアウトは採用せずコンサバティブなコックピット作りをする。フロンクスも例外ではなく、中央にマルチインフォメーションディスプレイこそ備えるが、左に回転計、右に速度計を配した二眼式のメーターは最近では減少傾向の物理指針タイプだ。

センターコンソールは上からナビ(ディスプレイオーディオ)、エアコン吹き出し口とハザードランプスイッチ、エアコン操作パネル、DC12V/USB電源、小物入れ(ワイヤレス充電)、ドリンクホルダー(2個並列)、シフトレバー、ドライブモードスイッチ、パーキングブレーキ、コンソールボックスという配置。

エアコンの操作パネルも物理スイッチ(温度と風量はトグル式)となっており、わかりやすく操作もしやすい。

シフトレバーもオーソドックスなストレートタイプだが、パーキングブレーキは電動化されスイッチ式になっている。

よく見比べてみるとわかるのだが、ステアリングに加え、エアコンの吹き出し口とハザードランプスイッチ、エアコン操作パネル、シフトレバーはスイフトと共通になっている。コストはもちろんだが、クルマを乗り換えても同じように操作できるユニバーサルなインターフェースはユーザー的にはありがたい。

ユーティリティ

ラゲッジルームは十分なシートスペースを確保している割に必要十分な容量を備える。機能的にはオーソドックスなもので、リヤシートは6対4の分割可倒式。さらに、フロアボードを上下二段階に設定可能で、下段なら上下方向の容量の拡大でき、上段なら荷物の出し入れのしやすさのほか、リヤシート格納時のフラットフロアが実現する。

小物入れやドリンクホルダーも必要十分な数が用意される。グローブボックス、センターコンソールボックス、前後のドアにはドリンクホルダー付きのドアポケット、左右シートバックポケットが備わるほか、センターコンソール後端にはリヤシート用のUSB電源2個と小物入れが配置されている。

もちろん、スズキ最新の先進安全装備は搭載される。デュアルセンサーブレーキサポートIIに加え、パーキングブレーキの電動化により全車速追従・停止保持機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)を可能とした。さらに、車線維持支援機能(LKA)と合わせてロングドライブをより快適にする。

エンジン・トランスミッション

グローバルモデルらしく、フロンクスのエンジンは1.0Lターボ、1.2L、1.5Lと仕向け地ごとに複数種類が設定されたが、日本仕様に搭載されるのはK15C型の1.5L直列4気筒にWA06Aモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドになった。

K15C型エンジンは2024年4月に販売終了したエスクードが2022年のマイナーチェンジ時に搭載したもので、エスクードではフルハイブリッドだったが、フロンクスの日本仕様はマイルドハイブリッドをセレクトしている。

組み合わせるトランスミッションは6速ATのみ。5速MTも今のところ設定されず、もちろん5速/6速AGSも設定されない。なお、6速ATはインド仕様の1.0Lターボに設定されていたが、1.5Lとの組み合わせは日本仕様のみとなっている。

駆動方式・サスペンション

フロンクスの日本仕様におけるトピックスのひとつが4WDの設定だ。

インドや南アフリカの海外モデルではFFのみとなっていたが、日本では雪国での需要に応えるために4WDモデルが用意された。4WD仕様にはスノーモードや悪路脱出モード、ヒルディセントコントロールが備わり、雪道やオフロードでの走行性能を担保している。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リヤがトーションビームとFFと4WDで形式は同じだが、当然異なった仕様になっている。ちなみに車重はFFで1070kg、4WDで1130kgと60kg増となる。

ブレーキについてはスペックが公表されていないが、K15Bではあるものの同じ1.5Lエンジンを搭載する南アフリカ仕様と同様にフロント:ベンチレーテッドディスク、リヤ:ディスクではないかと思われる。

タイヤ・ホイール

装着されるタイヤは195/60R16サイズで、取材車両のプロトタイプにはグッドイヤーのTRIPLEMAX2が装着されていたが、開発者の談として、このタイヤを純正装着にすると考えているということだ。

切削光輝アルミホイールは閉じた形状の異形五角スポークが個性的であるだけでなく、堅牢性を表現したデザインになっている。

裏の刻印を確認するとサイズは16×6Jでインセット40。メーカーはエンケイ、製造はインドとなっていた。

価格とグレード・スペック

日本に導入される予定のこのフロンクスは、現状では日本専用とも言える4WDを用意しただけでなく、K15C型マイルドハイブリッドエンジンに6速ATを組み合わせた唯一の仕様となっている。このほぼ日本専用とも言えるフロンクスは、2024年4月にエスクードの販売を終了してから登録車のSUVのラインナップがクロスビーとジムニーシエラのみとなっていたスズキだけに、日本導入に掛ける期待の大きさを感じさせる。

カラーラインナップはツートーンルーフ5色、モノトーン2色の7色設定。通常であればモノトーンと同色のツートーンルーフが設定されそうなものだが、フロンクスはツートーンルーフとモノトーンで共通の色は無い。また、日本初投入のボディカラーも用意しているという。

■ボディカラー一覧

<ツートーンルーフ>

アースブラウンパールメタリック/ブラックツートーン

スプレンディッドシルバーパールメタリック/ブラックツートーン

オピュレントレッドパールメタリック/ブラックツートーン

ルーセントオレンジパールメタリック/ブラックツートーン

アークティックホワイトパール/ブラックツートーン

<モノトーン>

セレスティアルブルーパールメタリック

ブルーイッシュブラックパール4

クルマとしては非常に期待できる内容だけに、問題は価格設定になってくるだろう。日本仕様も基本的な生産はインドで行われているため、為替レートなどが日本での価格設定に大きな影響を及ぼすことになるだろう。その辺りのリスクヘッジをした価格設定でどの程度になるのかは気になるところだ。

やや車格が上回るが同じインドモデルとしてはホンダのWRVが約210万円~約250万円と挑戦的な価格設定。サイズ的にライバルとして近いトヨタ・ライズ/ダイハツ・ロッキーが約170万円~約230万円。上質さや走りの良さを謳うフロンクスだが、コンパクトSUVクラスと考えると250万円を中心とした価格設定がユーザーが食指を動かす辺りだろうか。なお、FFと4WDが設定される以外、グレード展開についても現状では未定となっている。

先行展示会を開催

2024年8月1日(木)から全国各地でフロンクスの実車を見ることができる先行展示会が開催される。日時と場所は新型「フロンクス」専用サイトで随時公開・更新される。フロンクスをいち早くチェックする貴重なチャンスだ。