赤ちゃんの世界が広がるハイハイ~歩く時期に、こころの中で起こっていること

AI要約

赤ちゃんの発達段階には法則性があり、全身の発達が頭部から手足へと進んでいく。

赤ちゃんがハイハイを始めると自由に動き回れるようになり、周囲の状況を理解し始める。

ハイハイすることによって赤ちゃんは自分自身の意思で行動する経験を積み、興味を持つ範囲も広がっていく。

赤ちゃんの世界が広がるハイハイ~歩く時期に、こころの中で起こっていること

【発達心理学からみた赤ちゃんの成長】子どものこころの発達はさまざまな事柄が関係しあい、枝葉のように広がって進んでいくものです。たくさんの枝葉を支える太い幹と根っこが育つには、長い時間が必要です。子どもも親も試行錯誤して、失敗と修復を繰り返しながら、育っていきます。保護者や保育者向けに、就学前までの子どもの発達や対応の具体例をわかりやすく解説した『子どものこころの発達がよくわかる本』から一部を抜粋してお届けします。

発達段階には法則性があります。まず頭をまっすぐに保てるようになると次に首がしっかりとすわり、腰や足が発達します。発達は頭部から手足へと、さらに胴から肩や腕、手、指先へというように中心部から末端へと進みます。

全身をバランスよく使う「粗大運動」が可能になると、次に手指を細かく使う「微細運動」ができるようになります。

この法則にしたがい赤ちゃんはいくつかの段階を経て、生後8ヵ月ごろになるとハイハイができるようになります。自分の意思で自由に動き回れるようになり、行動範囲がぐんと広がります。

それまでは誰かの助けがないと移動できませんでしたが、ハイハイができると自分の意思で動けるようになり、世界が広がります。

・自分の行ける距離でハイハイする

おおよその距離感を理解できると、養育者のもとに行くため、あるいは呼ばれたときに自分が行ける距離ならハイハイで移動するようになる

・自分でゴールを決めている

おもちゃをとりに行くとか、母親のところまで行くというように移動先のゴールを自分で決め、そこに向かってまっしぐらに進む

・いろいろなモノに興味をもつ

自力で移動できるようになるため、周囲のいろいろなモノや場所に興味を示すようになる

・後追いをするようになる

相手と自分の距離を見る。養育者が自分から離れると後を追ったり、置いていかれるという不安から泣きだしたりすることも

・周囲の状況を読みとるようになる

ドアを開けて部屋の外にでようとしたり、戸棚を開けたり、ゴミ箱をひっくり返したりするなど周囲の様子をよく見て、しくみを理解する