子どもの性格は生まれつき? 月齢が同じでも”気質”に違いがあるのはなぜ?

AI要約

赤ちゃんの気質は、その子の核となりますが、性格は周囲の人や環境との影響を受けながら形成されていきます。

子どもの気質を理解し、その子らしさを受け入れながら成長をサポートすることが大切です。

困ったときは適切なサポートを提供し、子どもが自分のペースで成長できるように支援することが重要です。

子どもの性格は生まれつき? 月齢が同じでも”気質”に違いがあるのはなぜ?

【発達心理学からみた赤ちゃんの成長】子どものこころの発達はさまざまな事柄が関係しあい、枝葉のように広がって進んでいくものです。たくさんの枝葉を支える太い幹と根っこが育つには、長い時間が必要です。子どもも親も試行錯誤して、失敗と修復を繰り返しながら、育っていきます。保護者や保育者向けに、就学前までの子どもの発達や対応の具体例をわかりやすく解説した『子どものこころの発達がよくわかる本』から一部を抜粋してお届けします。

前編記事<「泣き」「笑い」で分かる、子どものこころの発達。臨床発達心理士が明かす、赤ちゃんの心理>

月齢が同じくらいの赤ちゃんでもそれぞれに特徴が見られるものです。どこでもすぐに眠れる子もいれば、いつも活発で元気いっぱいの子、怖がりで甘えん坊な子、行動がゆっくりでマイペースな子など個性豊かです。こうした性格の核になっているのがその子が生まれもった「気質」です。

アメリカの精神科医のトマスとチェスは、活動水準、接近/回避など9つの側面を観察し、5段階で評価した結果に基づき、乳児の気質を大きく3つに分類しています。

■気質(1)扱いにくい子ども

睡眠や排泄、空腹の時間が不規則、不機嫌になりやすい、変化を嫌がる、激しく泣いたりぐずったりするなど、育てづらさを感じやすい

■気質(2)扱いやすい子ども

睡眠や排泄、空腹の時間が規則的、機嫌よく過ごす時間が長い、環境の変化に柔軟に対応できるなど、育てやすさを感じやすい

■気質(3)慣れるのに時間がかかる子ども

環境が変わると対応するのに時間がかかったり、活動水準が低かったり、行動を開始するのに時間がかかったりする

※3つに当てはまらないタイプも約35%見られ、必ずしもきちんと分類できるわけではない

気質は乳幼児期のうちは大きく変わることはないといわれています。しかし、大人になってその気質がそのまま性格として現れることもほぼありません。気質はその子の核となりますが、性格は、周囲の人たちや環境とのかかわり方の影響を受けながら育つものだからです。

■その子らしさを育むためには

気質はその子の核になるもの。子どもの性格は気質をベースにしていますが、周囲の人や環境とのかかわり方の影響を受けながらつくられます。

・無理に変えようとしない

子どもの気質をありのまま認める。「人見知りだからもっと積極的にさせよう!」というように、無理に気質を変えさせようとしない

・「〇〇な子」と決めつけない

同じ人見知りでも、年上の子には平気など、人それぞれ。成長段階で変化することもある。○○な子と決めつけて接するのではなく、その子のペースで成長していくことを見守ろう

・困っていたらサポートを

成長過程のなかで、本人が自分の気質が原因で困っていることがあったら、どうしたら過ごしやすくなるか、一緒に考えてサポートしよう