国境を越えた日本の国民食ラーメン 元添乗員が見た世界のラーメン事情とは

AI要約

訪日外国人観光客が夢中になっているのが、日本のラーメン。世界の主要都市に日本のラーメン店が増えており、海外でも高い人気を誇っている。

ラーメンは世界各地で進化し、各店ごとにオリジナリティがあるため、ラーメン好きにとって魅力的な食べ物である。

パリのオペラ地区など、海外でもラーメンが人気であり、日本の有名なラーメンチェーン店が展開している。価格は日本よりも高めだが、満足感が高い食事として外国人にも人気がある。

国境を越えた日本の国民食ラーメン 元添乗員が見た世界のラーメン事情とは

 訪日外国人観光客がこぞって夢中になっているのが、日本のラーメン。今では世界の主要都市の多くに、日本のラーメン店があるほど人気が高まっています。世界約50か国以上を旅した元添乗員で、旅アドバイザー&トラベルライターのAnaさんによる連載。今回は、世界のラーメン事情についてです。

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 日本国内にとどまらず、進化が著しいグルメジャンルといえばラーメン。各店オリジナリティがあふれていて、ラーメン好きの私としては、いろいろな味に出合えるのはうれしい限りです。最近、海外に行っていてとくに驚くのが、日本のラーメンの認知度と評価の高さです。

 フランス・パリのオペラ地区は、ヨーロッパのなかでもラーメン激戦区といわれるエリア。歩いていると、ラーメンの文字と日本語の看板が目に入り、「ここは新宿?」と思ってしまうほどです。

 なかでも、知名度ナンバー1候補として挙がるのは、博多発祥の豚骨ラーメンチェーン店・一風堂ではないでしょうか? 世界15か国・地域で287店舗(2023年12月時点)展開しているとあって、外国の方にはよく知られているラーメン店のひとつです。

 5月に仕事でパリに滞在した際、ちょうど一風堂の近くに来ていたので立ち寄ってみると、平日の昼はやはり行列でした。

 当然ながら、価格は海外設定です。白丸は14ユーロ(約2380円)~で、全部入りは19ユーロ(約3230円)。赤丸の全部入りは20ユーロ(約3400円)です。日本では店舗ごとに値段が変わるとはいえ、1000~1500円くらいなので、おおよそ倍ということになります。

 ですが、それでも安いほうだと感じてしまいます。なにしろパリでは、スープとメインといったいわゆる定食的なものを食べようとすれば、20ユーロ以下で食べられるランチはそうそうありません。ラーメンはスープ、メインディッシュの肉、麺と、ある種一杯で完成している食事なので、満足感が高いのです。

 また、日本と違って、ワインやウイスキー、日本酒などアルコールの種類が豊富。枝豆、タコや鶏の唐揚げ、たこ焼きといったおつまみメニューのほか、抹茶パフェ、黒ゴマ大福など和のスイーツもあります。