「ショックとストレスで何度も辞めたいと」 西武柳沢で1984年から続く人気ラーメン店「一八亭」を営むイタリア人男性。店を受け継ぐまでの経緯と、「外国人がラーメンなんか作れるわけがない」を乗り越えた先に見た景色とは?

AI要約

イタリア人店主のジャンニさんが切り盛りする老舗ラーメン店「一八亭」の魅力。中華そばからイタリアンな創作ラーメンまで幅広いメニューが人気。苦しい時期を経て自分らしい生き方を手に入れたジャンニさんのライフストーリー。

ジャンニさんの生い立ちや日本での出会い、タイでの経験を経て日本に移住するまでの経緯。知枝さんとの交際を通じて日本での新たな生活が始まった過程。

六本木でのウェイターの仕事を経て西武柳沢でラーメン店を開店するまでのジャンニさんの軌跡。イタリア人店主だからこそ生み出されるラーメン×イタリアンなメニューについての魅力。

「ショックとストレスで何度も辞めたいと」 西武柳沢で1984年から続く人気ラーメン店「一八亭」を営むイタリア人男性。店を受け継ぐまでの経緯と、「外国人がラーメンなんか作れるわけがない」を乗り越えた先に見た景色とは?

■西武柳沢にある、イタリア人店主のラーメン店

 西武新宿線・西武柳沢駅の南口から徒歩7分。国道4号線沿いの東伏見稲荷神社の近くに一軒の老舗ラーメン店がある。「一八亭」(いっぱちてい)だ。

 ここはイタリア人の店主・ジャンニさんが切り盛りするお店として話題だ。昔ながらの中華そばから、ジャンニさんの繰り出すイタリアンな創作ラーメンまで人気で、朝方まで多くのお客さんでにぎわう。

 「今でも忘れませんが、初めて食べたのは辛味噌ラーメン。それ以来、味噌ラーメンが大好きになりました。毎日が楽しく、大変と思う事もありません」

 今でこそそう語るジャンニさんだが、店を継いで数年間は、客が来ない苦しい時期を過ごした。

 彼はいかにして、異国の地・日本でラーメン店を営み、自分らしい生き方を手に入れたのか。奥深い、ライフストーリーを伺った。

【画像11枚】西武柳沢の人気ラーメン店「一八亭」。イタリア人店主だからできた、ラーメン×イタリアンな超絶品メニューがこちら

 店主のジャンマリオーリ・ジャンニさんはイタリア・ローマ生まれの57歳。2004年1月、タイに遊びに行っている時に、後に妻となる知枝さんに出会う。知枝さんはタイ語の勉強のためタイに行っていて、ジャンニさんは知枝さんに一目惚れをした。ジャンニさんと知枝さんはすぐ仲良くなった。

 3月にジャンニさんはイタリアに戻った。当時ジャンニさんは植木屋をやっていたが、友人とタイで仕事を始めることになり、仕事をやめてタイに移ることにした。

 そこでもう一度知枝さんに会うことになる。ここから2人の交際が始まった。その後、知枝さんはタイ語の勉強を終え、7月に日本に戻ることになる。

 そして9月、ジャンニさんは知枝さんに電話をし、「私も日本に行く」と伝える。ジャンニさんは六本木のイタリア料理店でウェイターの仕事を見つけ、日本に移住することにした。知枝さんと出会ってから、約8カ月でのことだった。