自治体の「カスハラ対策」名札は“名字のみ”、顔写真ナシ…トラブル回避、SNSでの誹謗中傷を防ぐのに有効? 専門家が解説

AI要約

カスハラ対策の動きとして、名札の変化が広まっている。

政府や自治体、企業がカスハラ対策に取り組んでおり、法的措置も検討中。

百貨店や企業グループもカスハラに対する基本方針を策定し、対応を強化している。

自治体の「カスハラ対策」名札は“名字のみ”、顔写真ナシ…トラブル回避、SNSでの誹謗中傷を防ぐのに有効? 専門家が解説

モデル・タレントとして活躍するユージと、フリーアナウンサーの吉田明世がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」(毎週月曜~金曜6:00~9:00)。7月18日(木)放送のコーナー「リポビタンD TREND NET」のテーマは「カスハラ対策だけではない『名札』の変化」。情報社会学が専門の城西大学 助教・塚越健司さんに解説していただきました。

顧客による理不尽な要求や威圧的な言動などの迷惑行為を指す「カスタマーハラスメント」。社会問題になるなか、企業や自治体では職員や従業員が付けている「名札」について、「顔写真の掲載をやめる」「フルネームの記載から名字だけに変更する」など、名札を通じて名前が公表されないようにする動きが広まりつつあります。

ユージ:塚越さん、自治体や企業による「カスタマーハラスメント」対策は進んでいますか?

塚越:政府が先月まとめた「骨太の方針」のなかでは、カスタマーハラスメントを含む職場のハラスメントに対して、法的措置も視野に入れた対策を強化すると明記されています。これを受けて厚生労働省では、法令改正に向けた検討が見込まれています。

また自治体でも、例えば東京都はカスハラ条例制定に向けて、2023年度に「カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会」を設置しています。他にも三重県や愛知県でも、条例制定に向けた協議会などを設置する動きがあります。

一方で企業でも、例えば百貨店の高島屋が先日、カスハラに対する基本方針を公式サイト上で公開しました。百貨店では初めてとみられていますが、カスハラと判断した場合は対応を断り、来店も断る場合があるとしています。要するに「出禁」ですね。

カスハラ行為としては、従業員への人格否定や差別発言、また土下座の要求があります。

またNTTグループは、この7月にカスハラに対する基本的な対応をグループ3社で策定したことを発表。さらにANAグループとJALグループが「共同」でカスハラに対する方針もまとめています。競合しているJALとANAですが、ここは共同で一緒に作るということで、グループ企業や業種ごとに連帯して対応を決める動きが出ていると言えます。この動きはさらに加速すると思います。