〈オメガ〉とカーレースの話。

AI要約

オメガ〉の永世定番「スピードマスター」はNASAの宇宙開発史と深く結びついている。アポロ11号の月面着陸時に使用され、ムーンウォッチと呼ばれるようになった。

アポロ計画のために開発されたわけではなく、カーレーサー向けに生まれたモデルがNASAに認められ採用された。その耐久性・耐磁性・精度の高さはNASAの厳格なテストに合格した結果だ。

〈OMEGA〉SPEED MASTER MOONWATCH WHITE DIALは1957年登場のクロノグラフで、NASAが行った「アラスカプロジェクト」の試作品へのオマージュとして今季からレギュラー入りを果たしている。

〈オメガ〉とカーレースの話。

オメガ〉の永世定番「スピードマスター」を語る上で、NASAの宇宙開発史は切っても切れない。’69年、アポロ11号が月面に降り立った歴史的瞬間、この時計がアームストロング船長の手元にあったのはご存じのとおり。以来「ムーンウォッチ」の呼び名が定着するが、実はアポロ計画のために開発された代物ではなく、地上最速を求めるカーレーサーのために生まれた既存モデルが、耐久性・耐磁性・精度の高さから厳格なテストの末にNASAに認められて正式採用された。「スピードの達人」という名からも推察されるが、’50年代のカーレースは過酷で、タフで瞬時にタイムを把握できる正確さが求められた。そんな現場で10年もの研鑽を積み重ねた結果が、月への往復チケットを勝ち取ることに繋がったのだ。

〈OMEGA〉SPEED MASTER MOONWATCH WHITE DIAL

〈オメガ〉を代表する1957年登場のタイムレスなクロノグラフ。この白文字盤は、’70年代にNASAが行った「アラスカプロジェクト」のための試作品へのオマージュ。今季から満を持してレギュラー入りを果たした。ケース径42㎜、手巻き、ステンレススティール製。¥1,254,000(オメガ☎0570・000・087)

photo: Ryohei Ambo, styling: Kazuro Sanbon, grooming: Risa Fukushima, edit: Koji Toyoda(2024年7月 927号初出)