スポーツドリンクを飲むより効果的…「風呂上がりの水分+栄養補給」にピッタリな飲み物の名前

AI要約

スポーツドリンクの摂取目的や成分について詳細に解説している。摂取目的に合わせて適切なスポーツドリンクを選ぶことが重要。

ゲータレードの歴史や成分について紹介。運動後の水分や栄養素の補給に適している。

スポーツドリンクの摂取方法について議論。摂取目的によって適したスポーツドリンクを選ぶことで逆効果を避ける。

入浴後は水分補給が必要だが、最適な飲み物は何だろうか。医師の谷口英喜さんの書籍『いのちを守る水分補給』(評言社)より、湯冷めしない水分補給についての解説をお届けする――。

■スポーツしなければスポーツドリンクは飲まなくていい

 スポーツドリンクを飲むことで、なんとなく適切な水分補給になっている、健康増進につながったり、元気になれたりすると思っていませんか。

 しかし、スポーツしなければスポーツドリンクは無理に摂取する必要はありません。

 それでは、どのようなときにスポーツドリンクを摂取するのがよいのでしょうか。

 ここでは、スポーツドリンクについてとことん学んで、その正しい飲み方を習得してみましょう。

■元祖スポーツドリンク「ゲータレード」

 わが国では、何種類ものスポーツドリンクが発売されています。その元祖が「ゲータレード」です。

 ゲータレードは1965年に、フロリダ大学のアメリカンフットボールチーム「フロリダ・ゲーターズ」のために、同大学の医学・生理学者ロバート・ケード博士によって開発された飲料です。

 ゲータレードという名称は、チーム名と「エード」(ade:レモネード〈lemonade〉等、飲料の意)の合成語です

 ゲータレードはスポーツドリンクの元祖で、現在でも、世界シェアナンバーワンのスポーツドリンクです。

 100ミリリットルあたり5ミリグラムと高濃度のナトリウム(塩分)が含まれています。その理由は、体を動かしたことによる発汗に対して、適切な量のナトリウムを補うためです。

 また、いわゆる疲労回復の際に最も効率のよいエネルギー源であるブドウ糖やショ糖が多く含まれています。

 つまりスポーツドリンクはその名のとおり、激しい運動で失われた水分、ナトリウム、糖分を補うための飲料であるということです。

■スポーツドリンクの成分に明確な基準はない

 わが国では、スポーツドリンクの成分には明確な基準がありません。「スポーツに際して適した飲料」とうたって自由にアレンジしているのが現状です。

 実際には、商品により塩分および糖分濃度や、含有されている栄養素の種類もさまざまです。

 したがって、飲料の摂取目的にもさまざまなものがあります。

 【スポーツ飲料の摂取目的と適切なスポーツ飲料(例)】

 ①スポーツ後に失ったエネルギー補給→糖分が強化された飲料

②スポーツ後の疲労回復→ビタミン・クエン酸が強化された飲料

③スポーツ後の電解質補給電解質が強化された飲料(目安はナトリウムイオン濃度4m/d以上)

④スポーツ後の水分補給→経口補水液に近い成分

⑤スポーツ後の筋肉の再生目的→アミノ酸(分岐鎖アミノ酸)が強化された飲料

■目的が異なるスポーツドリンクを飲むと逆効果

 このように、摂取目的がさまざまなので、本来はスポーツドリンクとしてひとまとめにするべきではないのです。例えば、④の目的で②を飲めば、浸透圧が高いので水分吸収に時間を要します。

 熱中症の際に③の目的で⑤を飲めば、アミノ酸により体温が上昇してしまい熱中症を悪化させる危険もあります。

 したがって、本来ならばスポーツドリンクをカテゴリー別に分けて、消費者の健康に寄与する飲料として販売するのが消費者目線といえるでしょう。