将棋アマ3段、鍛えた洞察力で配球や打球を読む 丹原の藤原大成選手

AI要約

愛媛大会に出場する丹原高校野球部の藤原選手は、将棋アマチュア3段の段位を持ち、野球と将棋を両立している。

将棋の洞察力と忍耐力が野球にも生きており、チームでの勝敗を共に楽しむ姿勢を持つ。

藤原選手はセンターでのレギュラー争いをしており、ベンチでも全力で声援を送りたいと語っている。

将棋アマ3段、鍛えた洞察力で配球や打球を読む 丹原の藤原大成選手

 第106回全国高校野球選手権愛媛大会は、7月13日に開幕し、55校の48チームが出場する。一つの目的に向かって力を合わせる、個性豊かな選手らの姿を紹介する。

■丹原・藤原大成選手

 愛媛県西条市の県立丹原高校野球部の中堅手、藤原大成選手(3年)は、将棋アマチュア3段の段位を持つ。毎週金曜、野球部の練習を終えた後、今治にある道場へ通う。「守っとったら急に攻める。その逆もある。そういう駆け引きが野球と同じで面白い」

 将棋で昨年度、高校生の愛媛県大会で個人戦7位に。四国大会は個人戦15位、県代表チームの一員として県別対抗戦の優勝に貢献した。

 得意な戦法は居飛車。相手も居飛車なら角換わり、振り飛車なら臨機応変。道場には小学3年から通っている。

 将棋は、中学から始めた野球にも生きている。一つは洞察力。投手の手の動きや表情から、次の投球を読む。打球の飛ぶ方向も、状況から思考を巡らせて予測する。

 もう一つは忍耐力。長時間の正座はどうしても足が痛くなる。「耐えて指すのが、野球でも諦めないことにつながる」

 将棋の魅力とは。「人と人なので感情が出る。そこで逆転できるのが面白い」。野球の魅力とは。「みんなで力を合わせて勝っても面白いし、負けても、『どこが悪かった』とみんなで話すのが楽しい」

 センターでレギュラー争いをしている。この夏の大会は「ベンチでも声を出し、試合に出たら全力でプレーしたい」。

 中学3年で将棋をやめようと考えたこともあったが、「趣味が一つ減る」と思い直した。小中学校とレッスンに通ったピアノを今も弾く。(中川壮)