傷ついた無数の沖縄の身体を、言葉の群れが解き放つとき…『月ぬ走いや、馬ぬ走い』書評

AI要約

第67回群像新人文学賞を受賞した豊永浩平の『月ぬ走いや、馬ぬ走い』は沖縄の歴史を時空を超えた人物たちの語りで描いた群像劇である。

作品は沖縄の厳しい歴史を反語的に表現し、不幸のハードルが高いというアイロニーを浮かび上がらせる。

小説の言葉は沖縄戦から現代までの記憶を解き放ち、被害と加害者の立場を織り交ぜながら読者を歴史の渦に引き込む。

傷ついた無数の沖縄の身体を、言葉の群れが解き放つとき…『月ぬ走いや、馬ぬ走い』書評