ナイキ「エア マックス 90」誕生の歴史と“ドリフト”を名乗る最新作。GORE-TEXモデルも登場!

AI要約

ヴァージル・アブローによる「The Ten」という10のモデルをフィーチャーしたデザインプロジェクトが話題に。落札予想価格は3万ドルから4万ドルと言われている。

プロジェクトは「REVEALING」と「GHOSTING」という2つのテーマを持ち、ナイキのコンストラクションを際立たせることに重点を置いている。

「エア マックス 90」は「REVEALING」の一足として登場し、内部構造が露出した斬新なデザインが特徴的。

ナイキ「エア マックス 90」誕生の歴史と“ドリフト”を名乗る最新作。GORE-TEXモデルも登場!

故ヴァージル・アブローがマスターピースをリビルディングしたデザインプロジェクト「The Ten(ザ・テン)」。文字どおり10のモデルをフィーチャーしたプロジェクトで、サザビーズに出品されたコンプリートセットの落札予想価格は3万ドルとも4万ドルともいわれた。

アブローは「The Ten」をかたちにするにあたり、“REVEALING(リビーリング)”と“GHOSTING(ゴースティング)”というふたつのテーマを掲げた。デザインアプローチこそ異なるが、ナイキの優れたコンストラクションをつまびらかにするという点で両テーマは一致している。

“REVEALING”の一足としてラインナップされたのが「エア マックス 90」だった。シューレースに印字した“SHOELACES”やそのシューレースにくくりつけたオレンジのタブといった遊び心あるあしらいもさることながら、見逃せないのはナイフで切り裂いたかのような、内部構造があらわになったデザインだった。

「エア マックス」はビジブルエアを搭載した初めてのモデルであり、むき出しのデザインからはオリジンへのオマージュがひしひしと感じられた。

ナイキはこれまでに35億を超えるAirユニットを生み出してきた。その本丸となるのがビーバートンの本社のほど近くにあるNike AIR Manufacturing Innovation building――通称AIRMIだ。そのビルには1300人のスタッフが詰め、24時間態勢でAirユニットを製造しているという。

その礎をつくったのはふたりの男だった。ひとりがマリオン・フランクリン・ルーディで、もうひとりがティンカー・ハットフィールドだ。

ルーディは航空宇宙エンジニアとしてキャリアを積んだ。そのキャリアの中で育まれたアイデアが、衝撃吸収の役割を空気に担わせるというものだった。ルーディはこのアイデアを23の会社に売り込んだがことごとく断られた。24人目が、フィル・ナイトだった。