無印良品の化粧水が発売から27年経って変わったところと変わらないところ。「毎日使い続けられる」ためにブレない原点

AI要約

無印良品は、長年愛され続けているロングセラー商品や新製品が人気を集めている。

最近はスキンケアアイテムの品薄が続き、セルフケアを提案する本も出版された。

無印良品のスキンケア製品はSNSを通じて口コミで広まり、低価格で高品質な商品として支持されている。

無印良品の化粧水が発売から27年経って変わったところと変わらないところ。「毎日使い続けられる」ためにブレない原点

「無印良品」といえば何を思い浮かべるだろうか。文房具、食品、生活雑貨など、それぞれに定番があるかもしれない。

1980年にスタートした無印良品には10年、20年選手のロングセラー商品がいくつもある。

たとえば「脚付マットレス」や真ん中がくぼんだデザインの「バスソープ」などが代表格だ。

スキンケアシリーズもその一つだが、最近は、発売後すぐに売り切れとなり品薄が続く商品も登場し、注目度が上がっている。

さらに今年5月、無印良品のスキン・ボディケアアイテムによるセルフケアを提案する『やさしいもので整える 無印良品のセルフケア』が世界文化社から出版された。

人気の秘密を、良品計画のスキンケア開発を担当して9年目になる中野倫弥さんと、本を編集した世界文化社の能勢亜希子さんに聞くと、その背景には、創業当時から変わらないものづくりを追求する姿勢があった。

無印良品のスキンケアには、敏感肌用、エイジングケア、 クリアケア、4月に発売された薬用ブライトニングの4シリーズがある。

去年9月にリニューアルされた敏感肌用は、発売から24年という超ロングセラーのシリーズ。

いずれも、装飾性をそぎ落としたシンプルなボトルがトレードマークだ。

本書を企画した編集者の能勢さんは、無印良品のスキンケアに注目した理由をこう話す。

「スキンケアシリーズがとても人気があることを知って、何がどう良くて、どんな人たちに支持されているのかを掘り下げてみたくなったんです。

調べ出すと、デパコスにも負けない成分を使っているのに低価格。コスメも心地よい暮らしを実現する日用品の延長にあるものという考えに惹かれました」

『やさしいもので整える 無印良品のセルフケア』の最初の章では、年代や性別、ライフスタイルも異なる12人が、それぞれのお気に入りのアイテムを紹介している。

家族全員が敏感肌で敏感肌用シリーズを愛用している一家は、「コスパがいいので、家族みんなでじゃばじゃば使っても罪悪感がありません」とのこと。

ニキビやおでこのべたつきが気になる男子高校生は、ネットなどで調べて「敏感肌用化粧水 高保湿」にたどり着き、お小遣いで購入している。

肌が薄く、かゆみや赤みが出やすく悩んでいたという女性は、65%以上がうるおい成分の米ぬか発酵液でできた「発酵導入美容液」を使用してから、肌トラブルが減ったという。

この女性が利用している発酵導入美容液は、2023年8月の発売直後に話題になり、すぐに品薄状態に。

能勢さんも本の撮影の際に手に入らず、他県まで買いに行ったとか。

「基本的に、広告や宣伝をあまりしない社なんです」というのは、良品計画でスキンケアを開発する中野さん。

それでもスキンケアシリーズが売れ続ける理由を能勢さんはこう推測する。

「やはり商品の力が強いからSNSでバズるんですよね。これだけヒットした背景は、SNSの力が大きいのではないでしょうか」