「常に女性が先」ではない! レディーファーストの本質を、超一流サービスマンが伝授

AI要約

萩原清澄さんのとっておきの秘策から、「レディーファースト」の行動について紹介されている。

「レディーファースト」は、女性の後ろを守ることから始まり、具体的な行動を幾つか紹介している。

「レディーファースト」は、常に女性の気持ちを考えて行動することが重要であり、固定的なルールではない。

「常に女性が先」ではない! レディーファーストの本質を、超一流サービスマンが伝授

どうすれば人の心を読み、つかむことができるのか。多くのビジネスパーソンが頭を悩ませている問いのヒントを教えてくれるのが、「日本一の人脈を持つサービスマン」として知られる萩原清澄さんだ。超一流レストランの統括支配人として、経営者から芸能人まで、名だたるVIPをもてなしてきた萩原さんのとっておきの秘策を、著書『サービスマンという病い』から抜粋してお届けします。

「レディーファースト」は、もともと「女性を先にする」ということではなく、「女性の背後を守る」ことから始まったといわれています。女性の後ろを男性が歩くことから、こう呼ばれているわけです。

具体的にどんな行動が「レディーファースト」なのかを見てみましょう。

たとえばエスカレーターに乗る場合、先に乗るべきなのは男性でしょうか、それとも女性でしょうか。

上りのエスカレーターなら、女性を先に乗せ、男性は後ろに乗るのが正しいでしょう。しかし下りのエスカレーターでは、逆になります。万が一のときに女性を守ることを考えれば、男性が先に乗り、後ろに女性を乗せるべきなのです。

レストランに男性と女性が一緒に行った場合、まず男性が扉を開けて女性を先に店内に入れます。これは、みなさんご存じですね。

レストランの中では、女性が先に歩き、男性はその後についていくことになります。よいレストランの場合は支配人が席までご案内し、「上座」にあたる席の椅子を引いて女性のお客様に先にお座りいただきます。次に支配人が別の席の椅子を引いたら、そこに男性が座るわけです。

次に、飲み物を頼む場面を考えてみましょう。

2人で何を飲むのかを相談し、女性がシャンパンを、男性がビールを頼むことにしたとします。ウェイターが来たときに男性が真っ先に、

「僕はビール」

というのは、スマートとはいえません。ここはやはり、

「彼女にシャンパンをください。私はビールをいただきます」

と、女性のオーダーを先に伝えたいところです。

帰りにタクシーに乗るときはどうでしょうか。

一般に、マナー本などでは「タクシーでは運転席の後ろが上座」とされていますから、女性を上座に乗せたほうがよいと考える方が多いかもしれません。しかしこれは、ケースバイケースで考えるべきだと思います。

気配りができる男性は、

「ちょっと先に入りますね」

といって、女性より先に奥の席に座る方が少なくありません。これは、降りるときに自分がスマートにタクシー代を払うためです。目的地に着いたら、

「支払いをするから先に降りて待っていてね。お店はすぐそこだから」

といって女性を先に降ろせば、お金を払ったり領収書をもらったりするときに、もたつくことがありません。

しかし、もし雨が降っているなら、やはり女性を先に乗せるべきでしょう。そうでないと、乗り降りするときに傘を差してあげることができません。

このように「レディーファースト」というのは「常に女性が先」というような固定的なルールではありません。わかりやすくいえば、「女性の気持ちを考えて行動する」ことが「レディーファースト」なのです。