身体の不調は「気の滞り」からはじまる…めぐりを良くする深呼吸の「スゴイ効果」自宅でできる東洋医学のセルフケア

AI要約

中国5000年の歴史に基づく「中医学」のエビデンスを持つ尹生花氏が、「内臓を鍛える」習慣として東洋医学の智慧「臓活」を提唱している。

深呼吸をすると胸郭が開き、酸素が深く入ることで気の滞りを改善し、東洋医学では「理気作用」とも呼ばれる。

自然の香りには気の巡りを良くする理気作用があり、生花や果物などの香りは人間に良い影響をもたらす。

身体の不調は「気の滞り」からはじまる…めぐりを良くする深呼吸の「スゴイ効果」自宅でできる東洋医学のセルフケア

中国5000年の歴史に基づく「中医学」という壮大なエビデンスのもと、これまでのべ3万人以上のからだを診てきた、北京中医薬大学医学博士で、日本ホリスティックメディカルビューティー協会理事長を務める、美容健康サロン「BHY」代表取締役・尹生花氏。

「生活習慣だけではなく“内臓を鍛える”習慣」として、東洋医学の智慧「臓活」を生活に取り入れることを提唱する同氏の<猛暑の夏「イライラして眠れない」はこう防ぐ…“睡眠の質”を上げる「わきの下たたき」「頭のマッサージ」東洋医学のセルフケア>に引き続き、もっとも効率よく酸素を取り込む“深呼吸のコツ”についてご紹介します。

わたしは無農薬のみかんの皮を干して、自作の陳皮(漢方薬の原料のひとつ)を作ることがあります。

あるとき、サロンに取材に来られた方が、この陳皮を干しているところを見て、「とてもいい香りですね! 思わず深呼吸をしたくなります」とおっしゃったのです。

そう、この「思わず深呼吸をしたくなる」香りこそ、深呼吸のポイント。

深呼吸をすると、自然に胸郭が開き、深くまで酸素が入るので、気の滞りを改善することができます。これを、東洋医学では「理気作用(りきさよう)」ともいいます。

たとえば、目の前に置いてあるスマートフォンに鼻を近づけて、思わず深呼吸したくなる、という人はいないでしょう。なぜなら、スマートフォンには気が通っていないからです。電化製品やプラスティックに、理気作用はありません。

つまり、心地よい自然の香りにこそ、気の巡りを良くする理気作用がある、というわけですね。

ご自宅で簡単にできることとしては、生花を飾ってみてください。なかでも、季節を問わずさまざまな種類が出まわるバラは、とくにおすすめ。できれば、咲きはじめたばかりの若い切花がいいでしょう。

さて、前項では、気の滞りを改善するために、深呼吸が大切だということ。そして、その深呼吸を促すことから「心地よい自然の香りにこそ、気の巡りを良くする理気作用がある」ということをお伝えしました。

この「自然の香り」について、もう少しお話ししましょう。

気を巡らせる効果がある植物、つまり香りのある生花や果物などには、人間に良い影響をもたらす気が満ちています。

植物の気は酸素を発し、人間は酸素を吸う。そして、植物は人間が吐き出した二酸化炭素を吸ってくれるので、お互いに良い相性なのです。ですから森林浴などは、とても良いセラピーになることでしょう。

また、香水はすてきな香りがたくさんありますが、成分をよく見ると、化学的な成分やアルコールが含まれています。そのため、香水では理気作用は起こりません。しっかりした製造過程を経て作られたアロマオイル(精油)がおすすめです。

そして何より「自分が心地よいと感じる香りかどうか」がポイント。

また、生花とはいえ、百合はとても良い香りを放つ一方、人によっては「香り(気)が強過ぎる」と感じることも。どうぞ、ご自身のお好みの「自然の香り」を選んで、気を巡らせてください。