会社にいたら一番イヤな「何でも他人のせいにする人」の正体

AI要約

『職場を腐らせる人たち』では、職場で起こる人間関係の問題を豊富な臨床例を通じて解説している。

『職場を腐らせる人たち』では、他人を見下し、自己保身に走る人たちの心理や行動について具体的な事例を通じて明かされている。

『職場を腐らせる人たち』によると、自己正当化と責任転嫁はしばしば結びついており、責任転嫁は周囲にとって大きな迷惑となっている。

会社にいたら一番イヤな「何でも他人のせいにする人」の正体

根性論を押しつける、相手を見下す、責任をなすりつける、足を引っ張る、人によって態度を変える、自己保身しか頭にない……どの職場にも必ずいるかれらはいったい何を考えているのか。発売たちまち6刷が決まった話題書『職場を腐らせる人たち』では、ベストセラー著者が豊富な臨床例から明かす。

〈製造業のある会社では、一つの業務完了後に書類に押印をして提出し、次の業務に移行することになっている。ところが、20代の男性社員は、自分が押印していない段階で書類を提出した。以前にも同様のことが生じており、ミスにつながりかねないので、しっかり確認してほしいという声が部署内からあがった。そこで、その部署のみなで集まって対処方法を検討していたところ、押印せずに提出した例の男性が「先輩から怒鳴られて、すごいショックを受けた。そのせいでへこんでしまった。謝罪してほしい」と言い出した。

この男性が先輩の男性社員から注意されたのは事実らしい。押印せずに提出していたことに気づいた先輩が「お前、何やってんだ。ハンコを押してから出すことになっているだろ。この前も、お前ちゃんと確認せずに出してたよな。そんなことしているからミスが減らないんだ」と語気を荒げて注意したという。その裏には、例の男性はミスが多く、次の業務を担当する先輩がそれを指摘したり修正したりするのに多大な時間とエネルギーを費やさなければならないという事情があったようだ。

(中略)

ところが、この男性は、ハンコの押し忘れについて先輩から語気強く注意されたことを怒鳴られたように感じて根に持ったのか、先輩に謝罪を要求した。自分が押印せずに提出した件について悪かったとは微塵も思っていないことがうかがえる。それだけでなく、日頃からミスが多いことについても反省するどころか自覚さえしておらず、悪いのは注意した先輩のほうというスタンスのようにも見える。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

「他人のせいにする人」や「叱責されるとパワハラと騒ぐ人」はどこにでもいる。

こうした人は、なぜ責任転嫁するのか。何を考えているのだろうか。

〈遅刻やミスを繰り返して上司から叱責された社員が「パワハラ」と騒ぎ立てて難を逃れようとするのは、自己保身のためだろう。悪いのはパワハラの加害者である上司ということにすれば、遅刻やミスなどの自分自身の非をうやむやにできるという思惑が透けて見える。

男性が、部署のみなが集まっている場で、先輩に自分を怒鳴ったことに対する謝罪を要求したのも、謝罪に値するようなふるまいをした先輩の非を告発すれば、ハンコの押し忘れという自身の非をうやむやにできるという思惑があったからではないか。

つまり、自分は悪くないと主張したいからこそ、上司や先輩の落ち度をあえて指摘するわけだが、同様の目的で、仕事ができないのは上司のせいという論理を展開する人もいる。〉(『職場を腐らせる人たち』より)

『職場を腐らせる人たち』では、「自己正当化と責任転嫁は表裏一体の関係にあることが多い。責任転嫁の対象にされた側は大迷惑である」とも語っている。

また、政治家や企業トップが不正しても悪くないと言う姿を見て、責任転嫁の達人ほど出世すると勘違いしている人も増えているのかもしれない。

つづく「どの会社にもいる「他人を見下し、自己保身に走る」職場を腐らせる人たちの正体」では、「最も多い悩みは職場の人間関係に関するもので、だいたい職場を腐らせる人がらみ」「職場を腐らせる人が一人でもいると、腐ったミカンと同様に職場全体に腐敗が広がっていく」という著者が問題をシャープに語る。