「キッチンペーパー」と「ペーパータオル」の違いは?紙博士に聞いたキッチンペーパーの意外な使い方も

AI要約

キッチンペーパーは食器や食品の水気や油を拭き取るなど、調理時に便利に活用できる紙製品の一つです。

アメリカで1907年頃に開発されたペーパータオルが前身であり、戦後に日本でも広まり、安全性を考慮した「キッチンペーパー」が製品化されました。

キッチンペーパーは衛生面を考えると便利であり、菌の増殖の速さからも調理時にはタオルより使い捨てのキッチンペーパーを利用する方が良いとされています。

「キッチンペーパー」と「ペーパータオル」の違いは?紙博士に聞いたキッチンペーパーの意外な使い方も

全3回でお届けしている「ティッシュペーパー」など紙製品にまつわる“意外と知らない活用方法”。最終回となる今回は、食器や食品の水気や油を拭き取るなど、調理時に活躍する「キッチンペーパー」について取り上げます。

「いつどこで開発されたのか?」「キッチンペーパーとペーパータオルでは何が違うのか?」「キッチン以外での使い道は?」など……1943年創業の総合製紙メーカー『大王製紙』の “紙博士”こと、ファミリーケア・ブランドマーケティング部・森脇哲平さんに聞きました。

トイレットペーパーは1857年に、ティッシュペーパーは1914~1918年の第一次世界大戦下に、いずれもアメリカで開発されたと紹介しましたが(第1回・第2回)、キッチンペーパーの前身となるペーパータオルもアメリカで、1907年頃に開発されたといいます。

「タオルを何度も使うのは不衛生のため、使い捨てできる紙をタオル代わりにしようと開発されたようです」(以下「」内、森脇さん)。

日本では戦後、駐留米軍がペーパータオルを使っていたことから“手を紙で拭く”という概念が伝わり、1957年から国内でペーパータオルの製造が始まったとされています。それが次第に、台ふきんの代わりとしても使われるようになったため、食品を扱うペーパーとしてより安全性を考慮した商品“キッチンペーパー”が別途製品化されたようです。

SDGsの観点からいえば、紙で手などをふいて使い捨てにするのは“もったいない”かもしれません。しかし、衛生面で考えると、そうも言ってはいられないようです。

「大王製紙の実験室で高温多湿の洗面室を再現し、タオルに付着させた菌の増殖を測ったところ、6時間後で約40倍、9時間後で約200倍、12時間後にはなんと約7,500倍にまで達しました。細菌は驚くほどのスピードで増殖しています。

食中毒予防はもちろん、新型コロナウイルスやインフルエンザなど、感染症予防のためにも、調理の時はタオルよりもキッチンペーパーを活用した方がよさそうですね。