怖い…税務署から「追徴」「罰金」「調査」を食らいやすい「意外な相続財産」の名前

AI要約

税務署の調査は富裕層だけでなく一般人にも起こりうることを説明。

税務署の調査方法と財産隠しの危険性について元税務調査官のコメントを紹介。

相続税申告に注意が必要な資産や手続きについて詳細に解説。

怖い…税務署から「追徴」「罰金」「調査」を食らいやすい「意外な相続財産」の名前

税務署が家にやってきて調査をする。そんなのは富裕層にだけ起きること……なんて思っていたら大間違いだ。相続は、ちょっとしたミスが命取りになる。相続の「恐ろしさ」を知っておいて損はない。

「税務署は、税金の申告漏れを『足』を使って発見しています。銀行に行ってはおカネの流れを調べ、申告と齟齬をきたすような動きがないかをチェックしている。各種金融機関への出入金、生命保険会社との契約、企業からの支払調書なども把握できます。たとえば、相続対策などの一環として生命保険を契約した場合、調査や調書でその内容も簡単に把握できる。

以前は、『ゆうちょ銀行やかんぽ生命は、税務署や大蔵省と関係が薄いので口座を把握されにくい』と言われていましたが、いまはそうしたこともない。基本的には税務署はほとんどのおカネを捕捉しうるのです」

こう語るのは、国税局の元税務調査官で税理士の松嶋洋氏である。

恐ろしいのは、申告すべき財産を「意図的に隠した」と税務署から認定されうるということだ。

「私のもとにはときおり『うっかり申告を忘れただけなのに、税務署が意図的な脱税だと言っている』という相談が寄せられます。『うっかり』というのは内心の問題なので、それを証明するのは難しく、税務署とのやりとりによっては意図的な税逃れと見なされかねない。とくに近年、税理士相手に財産を隠すと、不正と認定されることが多い。注意が必要です」

相続にあたって漫然と申告をすると税務調査の「餌食」となり、金銭面でも精神面でも無用な負担を負いかねない。

では、いったいどのような資産が税務署の「ターゲット」となりやすいのか。以下の表も参考にしてみていこう。

まず、とくに危ないのは、1章で見た通り「名義預金」である。なかでも「孫の名義預金」には足をすくわれやすい。前出の貞方氏が警鐘を鳴らす。

「亡くなった祖父母が孫の名義で貯めた名義預金が見つかると、『孫は法定相続人ではないから、税務署も気づかないだろう』と軽く考えてしまう方、あるいは、申告を忘れてしまう方がいます。しかし、祖父母の口座の資金の出入りを調べればすぐに名義預金とわかってしまう。相続財産として申告するか生前贈与として処理するかを決めたほうがいいでしょう」

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【つづき】『【一覧】相続税の申告で「税務署に目をつけられやすい」意外な財産、こんなにあります』では、さらに注意が必要な財産について見ていこう。

「週刊現代」2024年6月29日・7月6日号より