「マイクラ」の開発元、ゲーマー以外の取り込み注力-業界は成長鈍化

AI要約

マインクラフトを制作するマイクロソフト傘下のスタジオが、ゲーマー以外の取り込みやグッズ展開、映画制作に注力している。

他社も知的財産価値の最大化に注力し、ゲームIPを映画化する動きが活発化している。

ゲーム業界の中で従業員の削減が相次いでいる中、マイクロソフト傘下のスタジオは創造力を重視し、人員を募集している。

「マイクラ」の開発元、ゲーマー以外の取り込み注力-業界は成長鈍化

(ブルームバーグ): 世界で最も売れたゲームの一つ、マインクラフトを制作するマイクロソフト傘下のスタジオはゲーム業界の成長が鈍化する中で、コラボ商品や映画制作を通じてゲーマー以外の取り込みに力を注いでいる。

モヤン・スタジオ責任者のオーサ・ブレディン氏は4日のインタビューで、「ゲーム関連のグッズ展開や教育、映像制作の分野で提携を模索している」と述べた。来年4月にはワーナー・ブラザーズ配給で実写映画が公開予定で、ネットフリックスでもアニメシリーズが制作されている。ブレディン氏は、同社の強みは幅広い事業ポートフォリオだとする。

登場から15年を迎える同ゲームは、累計販売数が3億本を超えた。日本でも「マイクラ」の愛称で、小学生を中心に親しまれている。高級ブランドのバーバリーやレゴとのコラボ商品、映画製作などにも取り組み、同スタジオのゲームを除く一般消費者向け事業の収益は過去2年で倍増したという。

モヤン・スタジオの戦略は珍しいものではない。ゲームそのものへの消費者の支出が鈍化する中で、各社は所有するIP(知的財産)価値の最大化に取り組んでいる。任天堂は「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の大ヒットに続き、人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」をベースにした実写映画を制作中だ。

ソニーグループは「スパイダーマン」の映画をゲームに、アクションアドベンチャーの「アンチャーテッド」をハリウッド作品に仕立てた。

新型コロナウイルス禍で人員が膨れ上がったゲーム業界では各社が相次ぎ削減を行う。マイクロソフトは今年1月にゲーム部門で1900人の人員削減を発表した。今後人工知能(AI)が普及し、デザイナーやプログラマーの仕事が置き換えられる可能性もある。ただモヤン・スタジオは「いまだに人員を募集している」とブレディン氏は述べた。

一部ツールにAIが組み込まれたとしても、「われわれにとってゲームの制作は芸術のようだ」とし、制作チームの創造力に賭けていると同氏は述べた。