「一発免停!? いやいや免許取り消しです」“救護義務違反”とは?

AI要約

救護義務違反とは、人身事故時に必要な措置を講じなかった場合の違反であり、重い罰則が科される可能性がある。

違反点数が35点で、過去に運転免許取消歴がなくても、免許の欠格期間が最長10年となるため、十分な注意が必要。

救護義務違反がひき逃げとして処理され、被害者の状態によっては追加の罰則が科される可能性がある。

「一発免停!? いやいや免許取り消しです」“救護義務違反”とは?

交通違反のなかには、たった1回の違反で免許停止処分/取り消し処分になってしまうものも少なくありません。重い罰則規定がある違反の代表は飲酒運転/著しい速度超過/妨害運転などが挙げられますが、なかでも注意したいのは“救護義務違反”です。この違反については、内容をよく理解しておかないと、違反したつもりがなくても重い罰則が科せられる恐れがあります。具体的にどのような違反なのでしょうか?

“救護義務違反”とは、いわゆる“ひき逃げ”のこと。

道路交通法第72条では、救護義務について以下のように明記されています。

『交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない』

これに加え、事故の際はその詳細を警察官に報告する義務も生じます。

つまり、人身事故時に際して運転者に義務づけられるのは、救護義務/危険防止措置義務/報告義務の3つ。

被害者がケガをしていれば応急処置/救急車の手配をし、二次的事故を防ぐための措置を行ったうえで、事故の旨を警察に報告するのが、人身事故を起こした際の具体的な手順となります。

これに違反すると、道路交通法第117条第2項で定められた10年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

さらに、救護義務違反の違反点数は35点であるため、基礎点数だけで欠格期間3年以上の免許取り消し処分が科せられるうえ、被害者の状態によってもさらに罰則が重くなります。

被害者が死亡した場合のひき逃げは、救護義務違反35点+危険運転致死傷罪62点で合計97点。ケガの場合でも、救護義務違反35点+過失運転致傷罪はケガの程度に応じて45~55点となるため、合計点数は80~90点です。

70点以上は免許の欠格期間が最長の10年となるため、過去に運転免許取消歴がなくとも、その後10年間は免許の再取得ができなくなります。

さらに酒気帯び運転/酒酔い運転の場合、その点数も加算されることになり、刑罰の内容も相応に重くなります。