〈朝のトマトジュース〉を管理栄養士が全力で勧めたい理由とは?

AI要約

トマトに含まれるリコピンは肌のケアや健康維持に効果的である。

食物繊維の適量やトマトの加工方法、摂取時間などを意識することでリコピンを効率よく摂取できる。

トマトジュースは朝の時間帯に摂取するのがベストであり、塩分の少ない商品を選ぶことが大切である。

〈朝のトマトジュース〉を管理栄養士が全力で勧めたい理由とは?

太陽の日差しが強くなり、お肌のケアにも力が入ります。夏野菜には肌のケアに効果がある成分が多いです。その中でもトマトは価格も安定していることから、夏場になるとトマトを利用した料理も多くなります。今回はトマトの栄養素を効率よく摂取して、お肌のケアに役立てる方法を管理栄養士が解説します。

■トマトのどのような成分がお肌にいいの?

トマトの中には健康成分が豊富に含まれています。特にお肌のケアとして重要な栄養素は「リコピン」という成分です。トマトに含まれる天然のカロテノイド成分であるリコピンには、抗酸化力が非常に高く、夏の日差しのダメージを受けた肌の赤みを抑制する効果があります。 そのため日焼けをしたあとの赤みが強い方は赤みを少しでもはやく回復するためにトマトを意識してお料理に摂り入れるとよいでしょう。夏場は日焼け止めで予防をしていても、長時間紫外線を浴びた時はお肌のダメージを大きく受けるためお食事で体の中のケアもしていきましょう。

■肌だけではないリコピンの効果

お肌だけではなく、リコピンは生活習慣病予防にも期待ができます。私たちの体の中には悪玉コレステロールと呼ばれるLDLと善玉コレステロールと呼ばれるHDLの2つの種類があります。生活習慣病予防には体の中でHDLを増やすことで血管の動脈硬化の予防にもなります。リコピンにはHDLを増やすという報告があり、お肌のケアだけではなく健康維持にも役立ちます。

■効率よくリコピンを体に摂り入れたい!

夏に大活躍のリコピンを効率よく体に摂り入れるために3つのポイントをお伝えしますね。

■■食物繊維は適量に

食物繊維は体やお腹の腸内細菌の育成に欠かせない栄養成分です。しかしトマトと一緒に大量の食物繊維を食べてしまうとリコピンの吸収率も下がってしまいます。

■■生より加工トマト

新鮮な生のトマトのほうが吸収が良いイメージですが、実はトマトを加工処理する段階でリコピンが腸内で吸収されやすい型に変換され約2倍吸収率がよくなると言われています。

■■リコピンをとる時間は?

せっかく肌や健康効果も高いリコピンを効率よく摂取するためには、その摂取時間も重要です。朝?昼?夜?吸収率が高くなる時間帯を理解し、生活に取り入れると非常に便利です。リコピンは空腹時間が長いほど吸収率が高くなるため、食事の間隔が長い朝にかけてが一番効率よくトマトのリコピンの摂取ができます。

■管理栄養士が教えるベストなリコピンたっぷりな食品は?

3つのポイントを踏まえて朝の時間帯に加工してあるトマトで食物繊維が多すぎない食品は「トマトジュース」です。トマトジュースは手軽に摂取でき、朝の食事にセットしても美味しく食べられます。ですが、トマトジュースを選ぶ時は注意が必要です。

塩分が多いトマトジュースや果物やお砂糖などで味付けされた商品もあるため、定期的に飲むことを考えると、選ぶべきはシンプルな(塩など添加されていない)トマトジュースです。吸収率を高めるポイントやトマトジューズを選ぶポイントを意識して、夏のお肌のケアと健康を手に入れる夏にしましょう。

〈参考文献〉

Rizwan M, Rodriguez-Blanco I, Harbottle A, Birch-Machin MA, Watson RE, Rhodes LE. Tomato paste rich in lycopene protects against cutaneous photodamage in humans in vivo: a randomized controlled trial. Br J Dermatol. 2011 Jan;164(1):154-62. doi: 10.1111/j.1365-2133.2010.10057.x. Epub 2010 Nov 29. PMID: 20854436.

Shafe MO, Gumede NM, Nyakudya TT, Chivandi E. Lycopene: A Potent Antioxidant with Multiple Health Benefits. J Nutr Metab. 2024 Jun 8;2024:6252426. doi: 10.1155/2024/6252426. PMID: 38883868; PMCID: PMC11179732.

リコピン摂取時間帯がラットおよびヒトにおける 体内吸収に与える影響

ライター/竹内寿美恵(管理栄養士)