「うちの子になりたいのなら、中におはいり」玄関ドアを開けて呼びかけると…!? 愛猫の死がきっかけで出会った「人間の言葉が分かる猫」

AI要約

猫に言葉は通じないと思っていたOさんが、マイケルくんとの出会いを通じて考えを改める。

バロンくんの死を黒猫に告げるも反応はなく、しかし後日、黒猫とマイケルくんがお葬式に参列する。

バロンくんを見送った後、それでも生きるために預かりボランティアを始め、3兄弟の猫たちと共に暮らす日々。

「うちの子になりたいのなら、中におはいり」玄関ドアを開けて呼びかけると…!? 愛猫の死がきっかけで出会った「人間の言葉が分かる猫」

猫に言葉なんて分からない。そう大阪府のOさんは50年以上思っていました。しかし、チャトラ猫のマイケルくんと出会ってから、考えを改めました。だって、マイケルくんがOさんの家の子になったのは、マイケルくんがOさんの言葉を理解できたからかもしれないんです。

マイケルくんは元々野良猫の地域猫です。2020年からOさんの家にご飯を食べにきていました。ところが、高齢で持病のあるバロンくんがOさんの家を根城と決めてからは、足が遠のくことに。バロンくんが完全にOさんの家の子になり、外に出なくなっても、マイケルくんはご飯を食べにくることはなかったのです。

そのバロンくんが猫エイズを発症し他界した2022年4月、Oさんはマイケルくんと同じく地域猫の黒猫の女の子に出会いました。Oさんはバロンくんを喪った悲しみを誰かに伝えたくて、ついこの黒猫に話したんです。

「バロン、死んじゃったよ。今まで優しくしてくれて有難う」

黒猫はOさんに何の返事もせず、その場をあとにします。Oさんはそんなものだろうなと思いました。猫に言葉が通じるはずもないから。

それなのに夕方、黒猫とマイケルくんはOさんの家に来たんです。その日の昼間、Oさんが頼んだ火葬車の横にちょこんと座って、本当にお葬式に参列しているかのよう。火葬車が走りだすと、黒猫とマイケルくんはOさんに一礼するかのような仕草をし、夜の住宅街に消えました。

Oさんは感激しました。マイケルくんはバロンくんと離れて暮らして1年4カ月であるにも関わらず、覚えていてくれたことに。何より、大事な仲間として見送ってくれたことに感謝しかありません。とめどなく涙があふれてきます。Oさんはマイケルくんが消えた住宅街の闇に頭を下げました。

バロンくんを見送ってからのOさんは、心にぽっかり穴があいたかのよう。それでも仕事はありますし、生きていかなくてはなりません。なにより、バロンくんの保護から治療まで色々とお世話になったNPO法人「地域猫管理協会」にお礼も言いたい。

Oさんは何はなくとも、まず地域猫管理協会にお礼を伝えました。伝えないと、悲しみで胸が押しつぶれされてしまいそうだったから。

その時、バロンくんと同じく高齢で猫エイズキャリアの3兄妹がシェルターにいると教えてもらいました。ぜひ、預かりボランティアを始めたいと頼み込み、3兄妹を家に迎えることに。カイトくん、ミントちゃん、プリンくんです。

3匹とも穏やかで優しい性格のため、バロンくんを喪ったOさんの心を慰めてくれました。特にミントちゃんは甘えん坊のため、Oさんは寂しがっている暇がないほど抱っこをせがまれます。

そんな日々が当たり前になっていた2023年7月のこと。Oさんが出勤しようと朝家を出ようとすると、玄関前にゴロンと何かが転がっているではありませんか。よく見ると、マイケルくんです。