梅雨の時期に悪化しやすい“気象病”とは? 医師に聞いた、頭痛など「今すぐどうにかしたい」症状の正しい対処法

AI要約

気象病とは、気象の影響によって突然の不調が起こる症状であり、特に梅雨の時期に多い。頭痛や朝起きられないなどの症状が現れることがあり、気圧の変化が原因で血圧が下がり、体が休めモードに入ることが影響している。

気象病の症状を軽減させるための対策として、気圧予報をチェックして働き方を調整したり、早めの就寝や起床、血行を良くする運動を取り入れることが効果的である。

自分の不調が気象病であることを認識し、適切な対策を取ることで生活の質を向上させることができる。

梅雨の時期に悪化しやすい“気象病”とは? 医師に聞いた、頭痛など「今すぐどうにかしたい」症状の正しい対処法

突然頭痛やめまいがし始めたり、急に気分が落ち込んできたり……。病院へ行ってもどこにも異常なし。どう改善したらいいのか分からないままもがいていたら、急にスーッとラクになってくることも。かと思ったらまた不調に! そんな好不調の波を繰り返して苦しんでいる人は多いはず。実はそれ、気象の影響によるものかも。

昨今、頻繁に耳にするようになってきた“気象病”。どんなときに起こりやすく、どんな対策を取るのが有効なのか? そこで気象病の専門家として知られるせたが内科・神経内科クリニックの久手堅司院長に取材。気象病のいろいろを詳しくお届けします。

気象病がもっとも出やすいという梅雨の時期。すでに出てしまった症状を軽減させるにはどうしたらいいのか、その対症療法を教えていただきました。

※(以下、「 」内、久手堅院長)

気象病の症状で、「今すぐどうにかしたい!」という声が多いのは“頭痛”と“朝が起きられない”というもの。ひどい場合は会社や学校に行けないこともあるそう。そこで久手堅院長に、それぞれの症状を軽減させる対症療法を教えていただきました。

「気圧が下がると血圧が下がり、副交感神経が優位になる。するとどうしても体は休めモードに入り、眠くなります。これがもともと血圧が高めの人ならそこまでの影響はないのですが、女性はもともと血圧低めの人が多い。気圧の影響でさらに血圧が下がると、めまいやだるさも悪化し朝が起きられなくなってしまうのです。

そういう方は前もって気圧予報をチェックして、働き方などを上手く調整することが大切。『このあたりは雨が続くからリモートワークにしよう』などと。そういう対策を取るだけで、ダメージは劇的に減ると思います」

とはいえ、どうしても休めない、スケジュール調整が難しい、という人のほうが多いことでしょう。そんなときはどうすればいいもの?

「症状が出たとき、あるいは出そうなときは、できればいつもより1、2時間早めに寝て、1、2時間早く起きることをオススメします。低気圧だとアイドリングが不調になってエンジンがかかりにくくなるので、いつもより早めにアイドリングを始める必要があるのです。

さらに、起きるときに血行を良くする運動を取り入れるとよりエンジンがかかりやすくなります。たとえば布団の中で手をグーパーしたり、何とか布団から出られる人は、軽いヨガやラジオ体操をするのもオススメです。患者さんの中には、思い切って早起きして散歩をするようにしたら症状が改善した、という人もいますよ。またカフェインは交感神経を優位にしてくれるので、コーヒーやエナジードリンクなどを飲むのも有効だと思います。

人間の身体の仕組みを考えると、雨の日に不調になるのは仕方のないことではあります。それでも自分の不調は気象病だと知ってちょっとした対策を取ることで、普通に近い生活は送れるようになるものです」