世界遺産目指す「佐渡島の金山」 勧告受け北沢地区を構成から除外へ

AI要約

日本政府は世界文化遺産に推薦していた「佐渡島の金山」について、北沢地区を除外する方針を示した。

国際記念物遺跡会議が構成資産から北沢地区を除外するよう求めており、政府はその勧告を踏まえて検討している。

佐渡島の金山は16世紀から19世紀半ばまで手作業による採掘が行われていた歴史的な鉱山である。

世界遺産目指す「佐渡島の金山」 勧告受け北沢地区を構成から除外へ

 林芳正官房長官は13日の記者会見で、日本政府が世界文化遺産に推薦していた「佐渡島(さど)の金山」(新潟県佐渡市)について、構成資産の範囲から「相川鶴子(あいかわつるし)金銀山」にある北沢地区を除外する方針を明らかにした。

 佐渡島の金山を巡っては、世界遺産への登録の可否を調査する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス、本部・パリ)が6日、追加情報の提出を求める「情報照会」と勧告。その中で、「江戸期より後の遺構が大部分を占める」として構成資産の範囲から北沢地区を除外するよう求めていた。

 政府は7月の世界遺産委員会での登録を目指しており、林氏は「イコモスの勧告を踏まえ、新潟県や佐渡市と検討した結果だ。何が最も効果的かという観点から総合的に検討を行い、政府一丸となって対応していく」と述べた。

 佐渡島の金山は「西三川(にしみかわ)砂金山」と相川鶴子金銀山の2鉱山で構成。16世紀ごろの大航海時代を境に欧州などで機械化が進む中、19世紀半ばまで手作業による採掘が続いた。【鈴木悟】