「LLM工場」目指す日立。NVIDIAなどと協業し「生成AIノウハウの外販」を10月開始

AI要約

日立は10月1日から、業務特化型LLM構築・運用サービスと生成AI業務適用サービスの提供を開始する。

生成AIセンターを中心にビッグテックとのアライアンスを組み、独自技術と組み合わせて業務活用基盤を整備している。

ITやOTの分野で1000件以上のユースケースがあり、特化したLLMの活用が業務効率化や競争力強化に必要とされている。

「LLM工場」目指す日立。NVIDIAなどと協業し「生成AIノウハウの外販」を10月開始

日立製作所(以下、日立)は10月1日から、顧客の業務ごとに最適化されたLLMを構築、継続的な改善を支援する「業務特化型LLM構築・運用サービス」と、実行環境の構築・運用する「生成AI業務適用サービス」の提供を開始する。

今回の法人向けAI支援サービスは、同社が8月29日に開催した「生成AIへの取り組みについて報道機関向けの説明会」で披露された。説明会の様子から、その詳細を解説しよう。

日立製作所では人材不足の課題解決のために、生成AIの業務活用に取り組んでいる。

2023年に設けた「Generative AIセンター」を中心に、AWS、NVIDIA(エヌビディア)、Google Cloud、マイクロソフトなど、ビッグテックとアライアンスを組み、日立自身の独自技術と組み合わせ本格的な業務活用へ向けた基盤を整備している。

例えば、NVIDIAとの協業では、日立の強味であるストレージとNVIDIAのAI用GPUを組み合わせ、短時間での大容量のデータ学習を実現する「Hitachi iQ with NVIDIA DGX」を開発した。

クラウドなど外部サーバーを使用しない「オンプレミス」での生成AI活用ニーズに対応できるプラットフォームを構築している。

さらにこれらを、鉄道、金融、公共など、自社の幅広い事業領域で活用。得たナレッジをGenerative AIセンターに集約し、顧客へ提供する。

Generative AIセンター センター長の吉田順氏によると、「ITやOT(Operational Technology)の分野で、すでに1000件ほどのユースケースがある」という。

「業務の効率化、生産性の向上というところは汎用LLMでもできるが、人手不足の解消や、競争力の強化といったところを担うには、それぞれの業務に特化したLLMが必要になってくる。

公開されているデータではなく、各企業が大切に持っている非公開のデータ、暗黙知や形式知を入れたLLMの活用がポイント」(生成AIアプリケーション&共通基盤室 室長 元山厚氏)