インテルAI PCの逆襲。対クアルコム意識の新型チップ搭載ノートPCを25日発売

AI要約

インテルは9月3日(現地時間)、ベルリンで発表会を開催し、次世代ノートPC用プロセッサー「インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)」を発表。

新プロセッサーはPコアとEコアの組み合わせで構成され、性能向上と低消費電力を両立。

コア数以外の要素で性能の比較が進められ、他社製品に対しても一歩リードしている。

シリーズ2の一部モデルはAI性能が120TOPSで、低消費電力と優れたパフォーマンスを提供。

会議ツールやベンチマークによる比較では、Snapdragon Xシリーズと互角の性能を示す。

パフォーマンスやゲーム性能でも競合製品を上回る結果が示されている。

インテルの新プロセッサーシリーズ2は、先進的な技術を活用したノートPC向けの優れた製品で、PC市場に多くの注目を集めている。

性能と消費電力のバランスが優れており、幅広い用途に対応することが期待されている。

インテルAI PCの逆襲。対クアルコム意識の新型チップ搭載ノートPCを25日発売

インテルは9月3日(現地時間)、ドイツ・ベルリンにて発表会を開催。コードネーム「Lunar Lake」として開発が進められていた次世代ノートPC用のプロセッサーを「インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)」(以下、シリーズ2)として正式に発表した。

シリーズ2を搭載した各PCメーカーの製品は、グローバルでは9月24日、日本では25日から順次展開されていく。

今回発表されたシリーズ2は9つのSKU(製品の種類)が用意されている。

従来のモデルはCPUのコア数の違いが性能差の指標として分かりやすかったが、今回のシリーズ2では、すべてのSKUはコア数が同じで性能の高い「Pコア」が4つ、電力効率の高い「Eコア」が4つの計8コア構成となっている。

そのため、同じシリーズ内での性能の違いを見るためには、CPUの最大クロック周波数や「GPU」「NPU」「PBP(稼働の保証がされている消費電力)」となり、PCにあまり詳しくないユーザーにはやや分かりにくくなっている。

ちなみに、最上位モデルはCore Ultra 9 288Vで、このモデルのみPBPは30W(最小17W)。CPUとGPU、NPUをあわせたAI性能が120TOPS※

となるのはこのモデルのみだ。

※TOPSとは:Tera Operation per Secondの略で、1秒あたりの兆単位での演算回数。AI機能の処理性能を表す際によく使われる。

すでに台湾で6月に開催されたPC系展示会「COMPUTEX 2024」で、Lunar Lakeの基本的な設計などは発表されていたが、今回の発表会では「Intel Core Ultraプロセッサー(シリーズ2)」という正式製品名と、具体的な性能について言及された。

インテルは、シリーズ2で「低消費電力」「パフォーマンス」「AI性能」の3つのポイントで他社製品、特に先行するクアルコムの「Snapdragon X シリーズ」よりもアドバンテージがあることをアピールした。

実は、この「他社製品との比較」が、今後のPCを選ぶ際に重要なポイントとなっている。

例えば、低消費電力においてUL Procyon Office Productivityを利用したベンチマークでは、クアルコムの最上位モデルの1つ「Snapdragon X Elite X1E-80-100」の18.4時間に対して、Core Ultra 7 268Vは20.1時間となっている。

ただし、会議ツール「Microsoft Teams」での連続会議時間ではCore Ultra 7 268Vが10.7時間だったのに対して、Snapdragon X Elite X1E-80-100は12.7時間と逆転。

いずれにしてもCore Ultra シリーズ2は、低消費電力を長所としていたSnapdragon X シリーズに対してほぼ互角の性能と言える。

パフォーマンスでは、前モデルと比較してもシングルスレッドの性能が向上している。

他社製品との比較でも、Snapdragon X Elite XIE-78-100を基準とすると、AMDのRyzen 9 HX 370が+3%、Core Ultra 9 288Vでは+20%の性能。そのほかのベンチマークテストでも基本的にはCore Ultra シリーズ2がSnapdragon XやRyzenシリーズを上回っている。

GPUも含めた比較として、ゲーム性能の比較も提示され、Core Ultra 9 288Vは前世代のCore Ultra 7 155Hと比較すすると、平均で31%も性能が向上している。さらに、Snapdragon X Elite X1E-84-100との比較では、68%も高い性能となっている。