NTT、「株式会社NTT AI-CIX」設立--業務・業界横断で連携する「連鎖型AI」実現へ

AI要約

NTTが新たに設立するAI-CIXは、デジタルツイン技術を活用して連鎖型AIを実現し、業務横断での最適化を目指す。

同社は小売・流通業界におけるサプライチェーン最適化に焦点を当て、連携協定を締結して取り組んでいる。

NTTの新会社設立の目的は、業務や業界全体の最適化を図り、社会課題の解決に貢献することにある。

NTT、「株式会社NTT AI-CIX」設立--業務・業界横断で連携する「連鎖型AI」実現へ

 NTTは8月7日、「株式会社NTT AI-CIX(AI-Cross Industry transformation)」を8月26日に設立することを発表した。

 従来からNTTが取り組むデジタルツインの予測・最適化AIとその連鎖技術(デジタルツインコンピューティング)を活用することで、さまざまなAIが業務・業界横断で互いに連携する「連鎖型AI」を実現する。個別業務からサプライチェーンの全体までを最適化するという。

 資本金は19億5000万円。コンサルティングからプロダクトやソリューション開発、AIプラットフォームサービスまでを一気通貫で提供する予定だ。

 NTTは新会社の具体的な取り組み例として、小売・流通業界におけるサプライチェーン全体最適化を挙げている。

 NTTは1月、流通業界全体のサプライチェーンマネジメント最適化を実現すべく、トライアルホールディングスとサプライチェーンマネジメントの共同検討に関する連携協定を締結。

 トライアルホールディングスが持つ小売業界の知見・店舗・データと、NTTが持つデータサイエンス分野の知見と技術を生かし、店舗運営効率化・物流効率化・顧客価値向上などの実現を進めているという。

 関連するメーカー・卸・小売りのデータ融合を加速しつつ、商品カテゴリごとに異なるサプライチェーンや購買傾向も加味することで、流通業界における全体サプライチェーンマネジメント最適化の実現に取り組んでいるとしている。

 NTT 代表取締役社長 社長執行役員を務める島田明氏は、「(新会社により)業務、業界ごとの最適化を実現する。例えば小売業の場合、AI自体は小売り、問屋、製造業とさまざまなプロセスでそれぞれ入っているが、データをしっかり横につないで最終的な消費者に届けるボリュームからさかのぼって製造に結びつけることで、間の経費の更なる削減などが期待できる。個別のAIから業務、業界横断で互いに連携する連鎖型AIサービスによりサプライチェーン全体の最適化を実現し、人手不足などの社会課題を解決したい」と説明した。