対iPhoneに燃えるサムスン。グーグルは敵か味方か? 本社副社長が語るAI折りたたみスマホ戦略

AI要約

サムスンは2024年第1四半期のスマホメーカーシェアで首位を獲得し、Galaxy Z Fold6/Z Flip6にGalaxy AI搭載を強調する。

Galaxy AIの特徴として、Galaxyエコシステムの拡大、ハイブリッドな提供形態、独自のUIやネイティブアプリを挙げている。

サムスンは2024年末までに2億台のGalaxy製品にGalaxy AIを適用する計画で、ミドルやエントリー機種でもAI機能を提供する方針を示している。

対iPhoneに燃えるサムスン。グーグルは敵か味方か? 本社副社長が語るAI折りたたみスマホ戦略

アメリカ・IDCによると、2024年第1四半期の世界のスマホメーカーシェア(出荷台数ベース)で、サムスンは20.8%と一位を獲得している。ただし、2023年通期ではアップルに首位を奪われており、サムスンにとっては厳しい状況が続いている。

そんな中、韓国・サムスン電子の副社長 兼 研究開発総括・MX事業本部 開発室長のChoi Won-Joon(チェ・ウォンジュン)氏が8月1日に初来日し、報道関係者の取材に応じた。

Galaxy S24シリーズで初めて搭載し、最新機種「Galaxy Z Fold6/Z Flip6」でも使える生成AI機能「Galaxy AI」や、フォルダブル端末に関する戦略を語った。

チェ氏はGalaxy Z Fold6とZ Flip6を「洗練され、最も完成度が高くなった折りたたみデザインに加え、Galaxy AIが適用された史上最強の折りたたみAIフォン」と紹介。

ディスプレイとヒンジを強化して耐久性が大幅に向上し、放熱構造の改善とバッテリー容量の強化により使用時間も改善したとアピールした。

また今後もGalaxy AIでさらに進化させ、「2024年も折りたたみ端末市場の首位を守り続ける」と宣言した。

ただ、AIは他社も積極的に取り組んでおり、差別化が重要になる。

チェ氏がGalaxy AIのポイントとして挙げたのは以下の3つになる。

スマホ、タブレット、ノートパソコン(日本未発売)、ウォッチ、イヤホンまでに広がるGalaxyエコシステム

クラウドとオンデバイス両方で利用ケースに適した形で提供されるハイブリッドなGalaxy AI

独自のUIやネイティブアプリ

多彩な製品群を持つGalaxyだが、それぞれにAIを搭載することでエコシステムを強化し、他のAndroidメーカーに対する差別化を図っていく。

また、Galaxy AIは高い性能が求められる場合はクラウド、プライバシーや短いレイテンシ(遅延)が重要である場合は端末内、と処理する場所や技術を使い分けることでユーザーの用途に応じた最適なAI機能を提供する。

これによって、性能が高いフラグシップモデルだけでなく、ミドルやエントリーモデルにもGalaxy AIを搭載できる。

「2024年末までに約2億台のGalaxy製品にGalaxy AIが適用される」とチェ氏は語っており、その中にはミドルやエントリー端末も含まれるようだ。

サムスンはすでにGalaxy AIの一部機能を、2023年以前の発表されたGalaxy S23やS22シリーズにも拡大適用している。

ただ、ハードウェアの違いによって、ミドルやエントリーでは対応できないAI機能も出てきている。