【恐怖注意!】ホラー大好きライターによる「めちゃくちゃ怖いホラー小説」3選を紹介。人気チャンネルの小説版から“電子書籍である事を活かした”作品まで紹介

AI要約

ホラーYouTubeチャンネルを書籍化した『フェイクドキュメンタリーQ』が紹介されており、体験型の演出が興味深い作品である。

2023年にカクヨムに投稿された『近畿地方のある場所について』は、怖さと面白さがSNSで話題になり、コミカライズ作品も連載中。

作品の終章がしっかりとした結末を持っており、読後感が怖さを残す点が特筆されている。

【恐怖注意!】ホラー大好きライターによる「めちゃくちゃ怖いホラー小説」3選を紹介。人気チャンネルの小説版から“電子書籍である事を活かした”作品まで紹介

暑い夏にぴったりの身も心も底冷えするようなホラー作品。

さまざまな媒体で楽しめるジャンルですが、中でも想像力がかき立てられ、後を引く「ホラー小説」は映画やゲームとは違った怖さが味わえるのが魅力です。

今回はホラー作品大好きな筆者が激推ししたい、おすすめの3冊を紹介します。

『フェイクドキュメンタリーQ』は、登録数29万人を誇るホラーYouTubeチャンネルの書籍化作品です。

こちらのチャンネルではその名の通り「フェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)」と呼ばれる、一見するとドキュメンタリーにしか見えない短編ホラードラマ作品が展開されています。

役者さんの真に迫る演技や、作品同士が結びつき繋がっていき、コメント欄でそれを“考察”するのが楽しいストーリー展開などで国内外から人気が集まっています。最新の動画が公開されると日本語外国語が入り混じったコメントが多数寄せられ盛り上がるチャンネルです。

7月25日に発売された書籍版では、短編形式で6つのエピソードを収録。うち4本は既存エピソードを文字に書き起こしたもので、2本は描き下ろしの新作という構成です。また、既存エピソードには作品をさらに深堀りできる追加の内容も盛り込まれており、ファンも初見の人も楽しめるものになっています。

特徴的だったのは、不気味なエピソードが語られている際に、「この音声をお聞きになりたい方は、こちらのQRコードから聞くことができます」と各エピソードのカギになる要素が文章の途中で“体験”できるようになっていることです。

音声・動画・取材・当時のインタビューの様子などを追加で楽しめる体験型の演出は、見たいけど見たくないという矛盾した気持ちにさせてくれる不気味さにあふれていて非常に楽しい体験でした。作中でも案内されますが、書籍版が好きだった人は、ぜひ動画も楽しんでくださいね!

2023年に作者の背筋さんがカクヨムに投稿したホラー作品『近畿地方のある場所について』。その怖さ・面白さがSNSで話題になり、現在では雑誌『月間コミック電撃大王』でコミカライズ作品が連載されるなど、近年のホラー作品でも人気のタイトルとなっています。

「近畿地方」にまつわるさまざまな怖い話を短編で追っていくというものになっているのですが、一見繋がりそうにない話が徐々に繋がっていくミステリー仕立てのストーリーになっており、「怖いのに読む手が止まらない」面白さを演出しています。その面白さは、連載当時「勧められて読んだら一晩で最新話まで追いついてしまった」という人が続出したほどです。

筆者が一番すごいと思ったのは、結末がホラー作品にありがちな「不気味だけど真相は不明」といった濁し方ではなかったことです。しっかりとした終章があることに驚き、そのオチに感動しつつも読んだ後ずっと怖いという読後感が忘れられない作品でした。