EigenLayerの23億ドル流出はセクターの下落を示唆

AI要約

過去1カ月間に、数十億ドル相当のイーサリアム(ETH)がリステーキング(再ステーキング)プロトコルから引き出された。

リステーキングプロトコルの一部は利回りが低く、他のプロジェクトに資金を移行するユーザーが増えている。

逆に成功を収めたプロジェクトもあり、Ether.fiはTVLが1億ドル増加した。

EigenLayerの23億ドル流出はセクターの下落を示唆

過去1カ月間に、数十億ドル相当のイーサリアム(ETH)がリステーキング(再ステーキング)プロトコルから引き出された。かつては流行していたこのセクターは、暗号資産(仮想通貨)投資家の移ろいやすい性質を初めて味わうことになった。

イーサリアムは6月25日に3300ドル(約49万5000円、1ドル150円換算)で取引されており、7月25日の価格3200ドルよりわずかに高かった。ただしこの期間中、複数のリステーキングプロトコルを結びつけるプロトコルであるEigenLayer(アイゲンレイヤー)の預かり資産(Total Value Locked:TVL)は22億8000万ドル減少して151億ドル(約2兆2650億円)になった。DefiLlamaのデータによると、リステーキングプロトコルのRenzoやKelpは、それぞれTVLの45%、22%を失った。

流出の一部は、最終的にエアドロップに変換されるポイントを獲得した後、収益を最大化するために別のプロジェクトに移行しようとするユーザーが原因である可能性がある。

また、Ethenaなどの個別の利回り創出プロトコルと比較すると利回りが低すぎるのが原因で資金を引き出す人もいる。Renzoは年換算3.43%の利回りを提供しているが、Ethenaは10%以上だ。

リステーキングでは、メインのイーサリアムブロックチェーンにすでにステーキングされているイーサリアムで追加の利回りを得ることができる。一方Ethenaなどのプロトコルは、資金調達率から利回りを生み出すもので、こちらはよりボラティリティが高くなる可能性がある。

この傾向に逆らうことができたリステーキングプロジェクトの1つがEther.fiで、TVLが1億ドル増加した。

|翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:EigenLayer Outflows of $2.3B Signal Restaking Sector Slide