ビットコイン現物ETF、連続流入記録が途切れる──トレーダーはトランプ氏の演説による上昇に期待

AI要約

ビットコイン現物ETFの純流出やイーサリアム現物ETFの純流入、価格変動の停滞、トランプ氏の演説への期待など、仮想通貨市場の動向が続く中、投資家は様子見モードに入っている。

市場ではアメリカ政府やマウントゴックスからの潜在的な売り圧力により価格の低迷が懸念されており、トランプ氏の演説が注目されている。

QCP Capitalなどの専門家は、今後の動向に不透明感が漂い、投資家の心理が影響を受けていると指摘している。

ビットコイン現物ETF、連続流入記録が途切れる──トレーダーはトランプ氏の演説による上昇に期待

ビットコイン(BTC)現物ETF(上場投資信託)は7月23日、7800万ドル(約120億9000万円、1ドル=155円換算)の純流出が見られ、資金流入記録が12日で途切れたことがSoSoValueのデータから明らかになった。

ビットワイズ(Bitwise)のBITBが7000万ドル(約108億5000万円)の純流出額でトップ、その後にアーク(Ark)のARKBが5200万ドル(約80億6000万円)、グレイスケール(Grayscale)のGBTCが2700万ドル(約41億8500万円)で続いた。ブラックロック(BlackRockの)IBITは7200万ドル(約111億6000万円)の純流入額で唯一純流入となり、運用資産総額は初めて220億ドル(約3兆4100億円)を超えた。

イーサリアム(ETH)現物ETFが取引開始となり、取引高が10億ドル(約1550億円)を突破したのに伴い、1億700万ドル(約165億8500万円)の純流入を記録した。

ビットコイン現物ETFからの資金流出は、7月19日と22日に流入額が1日あたり4億2000万ドル(約651億円)を超えた後のことだった。

このような資金流出にもかかわらず、BTCに価格は6万6000ドル以上で安定しており、過去24時間で0.5%強の下落にとどまっている。ステーブルコインを除いた流動性の高いトークンで構成されたCoinDesk20指数(CD20)は、0.6%下落した。

トレーダーたちは、アメリカの大統領候補による新たなコメントが出るまでは、現在の価格変動の停滞は続くだろうと予想している。このコメントにより、アメリカの暗号資産規制の将来が明らかになる可能性がある。

「市場は、まだいくつかの重要なきっかけを待っている状態だ」と、CoinMarketCapのリサーチリーダー、アリス・リュー(Alice Liu)氏はメールで述べた。「市場は、7月25日にナッシュビルでのカンファレンスでドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が演説し、ビットコインを国家準備金として使用する可能性があると発表するのではないかと予想されることから、『様子見』モードになっている」。

「もし実現すれば、ビットコイン価格は放物線的に上昇するだろう」とリュー氏は述べている。

シンガポールに拠点を置くQCPキャピタル(QCP Capital)は7月24日のテレグラムのブロードキャストで、「アメリカ政府とマウントゴックス(Mt.Gox)からの潜在的な売り圧力により、投資家の心理が冷え込んでいるため、選挙に向けて勢いが付くまでは価格は低迷する可能性がある」と述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:Shutterstock|原文:Bitcoin ETFs Break Inflow Streak as Traders Look to Trump’s Nashville Appearance for Volatility